日本共産党横須賀市議団

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議会での発言
2011年12月1日

2011年第4回定例会・請願第9号 「小学校の修学旅行先について」の請願への井坂新哉議員による賛成討論

請願第9号小学校の修学旅行先についての請願に賛成の立場から発言をいたします。

この請願は、小学校の修学旅行先である日光市が、横須賀よりも放射線量が高く、高濃度に汚染されているためICRP(国際放射線防護委員会)が提言しているALARA「社会的、経済的な要因を考慮して合理的に達成できる限り低く保たなければならない」という考え方に基づいて、修学旅行先を変更することを求めています。

日光市は、4月に観光安全宣言を出し、さらに毎日、小中学校、幼稚園や保育園、市内の各地で放射線量の測定を行い、結果をホームページでも公開しています。また、市民への放射線測定器の貸し出しや除染の方法などを知らせ、市民の被ばくを低減するための取り組みをされるなど、本市よりも進んだ対応をとっている点も見受けられます。

しかし、汚染土などの除染の基準としては、国の基準を用い、地上1mで毎時1マイクロシーベルトとしており、横須賀市の地上1cmで毎時0.59マイクロシーベルト、地上1mで毎時0.23マイクロシーベルトの基準と比べても除染の基準が高い状況です。さらに、小中学校の放射線量測定は校庭の中心地となっており、側溝などの放射性物質がたまりやすいとされているところの測定については、ホームページ上からは確認できません。また、ホームページ上で公表されている、放射線量を見ますと地上1mで比較できる値としては本市よりも高い数値が確認できます。

私は、請願者も述べておりますが、ICRPが提言しているALARAの考え方に基づいた対応をし、できる限り放射線を受けないように努力することが必要と思いますし、教育委員会としてICRPの提言を重視する姿勢が必要と思います。

この立場に立って考えると、少なくても横須賀市よりも放射線量が高い地域に行くわけですから、保護者には放射線を受けるよりも日光市に行くことにメリットがあることを説明するとともに、日光市には横須賀市の除染の基準に合わせることや修学旅行で立ち寄る場所の測定を行い、必要があれば除染をするなどのきめ細かな対応を求めることもできると思います。そして、その対応を求めることは、横須賀市のみならず、日光市の子どもたちにとっても放射線の影響を低減することにもなるわけですから、教育委員会の取り組む姿勢が重要になってきます。

今回の請願について言えば、修学旅行先は学校が計画し、教育委員会が承認するもので、議会の権限の範囲外であること、また教育委員会の独立性の問題からいっても、議会として意見を付けることに非常に悩みました。しかし私はあえて賛成することで、教育委員会に修学旅行先を変更する、変更しないということだけでなく、ICRPの提言をもっと重く受け止めてもらいたいと思いますし、また、修学旅行先を変更しなくて済むように放射線量の低減の取り組みを求めることなど、保護者の不安を受け止めた慎重な検討を促す必要があると考えたからこそ賛成することにいたしました。

修学旅行先を変更することも視野に入れて、横須賀の子どもたち、そして、日光市の子どもたち、全国の子どもたちを被爆から守る取り組みを広げるためにも教育委員会のさらなる取り組みの強化を求めてこの請願に賛成するものです。


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