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市長!私の大切な個人情報を私にだまって、他の人に渡さないでください!①

市議団は、市民の大切な個人情報が大量に(ここ4年間で2万人)外部に渡っていることを指摘、即刻やめるよう、求めてきました。

6月10日には、ねぎしかずこ議員が一般質問しました。

映像でも、ご覧ください。横須賀市議会HPの議会中継から。

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2019/6/10一般質問・自衛隊への名簿提出問題におけるねぎし議員の質問と市長答弁

             ・・・1問目・・・

【ねぎし議員】の太字の部分は、当日の発言のまま掲載。《市長》答弁は、大村洋子議員が「てにをは」等一部修正しつつ作成。が、ほぼ、答弁そのもの。また、わかりやすいように、質問項目ごとに、答弁をはさめて表示しているが、1問目は、実際は、すべての質問項目を議員が述べてから、まとめて答弁がある。

【ねぎし議員】自衛官募集への名簿提供とプライバシー問題についてです。

自衛隊神奈川地方協力本部は、2015年(※正確には、本部は、吉田前市長時代の2014年に市に初依頼し、市で検討の結果、2015年から市が本部に提出を始める。2017年から上地市政が始まる)から毎年、市に、横須賀の若者の個人情報を提出するよう依頼し続けてきました。資料1としてお配りしておりますが、これは、私が、公文書公開の手続きを踏んで入手した昨年の依頼文書です。

依頼文書によれば、利用目的は、「自衛官及び自衛官候補生に関する募集事務に利用するため」であり、依頼内容は、自衛官及び自衛官候補生の募集対象者である出生の年月日が平成12年4月2日から平成13年4月1日まで、すなわち、平成30年度末までに満18歳となる男子及び女子に係る募集対象者情報に関する資料の紙媒体での提出です。

これに対し市は、この自衛隊神奈川地方協力本部の依頼に応じてきました。

この4年間で約2万人の若者の個人情報を本人の同意なしに自衛隊の募集のために提出してきたことは、市の自主性・独立性が問われる大問題であり、また、プライバシー権の侵害にあたる大問題でもあります。そこで伺います。

(1)自衛隊神奈川地方協力本部からの文書は、「依頼」という性質のもの、言い換えれば、断ってもいいもの、との認識はお持ちでしょうか。

(2)断らなかった理由は何でしょうか。

《市長》

自衛隊へ名簿提出の依頼を断らない私の認識及び断らなかった理由について合わせて回答いたします。

この問題が社会的な問題として提起、惹起されたときに非常に私、違和感をもちました。

その時に実は整理をさせていただきました。

この質問をお答えする前に改めて見解をお伝えすることの方が答弁を理解していただくために必要だと思いますので、説明をさせていただきます。

まず、確認しておきますが、自衛隊募集事務に係る名簿提出は法令に根拠のない違法ではありません。

この点を確認したうえでお答えさせていただきます。

制度の根拠法令は明確であり、不明瞭な点はないと考えます。

それは自衛隊への提供そのものが問題であるという議論は問題の本質からずれることです。

問題の本質とは提供先の特性に関わらず個人情報の適正管理の問題であるはずです。

この問題は提供先が自衛隊であることに起因すると指摘するのであるならば、それは自衛隊法及び同施行令、地方自治法施行令の改正が論点になってくるのではないでしょうか。

本件の名簿は法制上なんで管理されているのか、この名簿は住民基本台帳法に基づき住基システムによって管理されています。

同法第十一条第一項により国の機関は法令で定める事務の遂行のために住民基本台帳の一部の写しを閲覧することができます。

したがって、最低限でも閲覧に供さなければならないことは当たり前の話です。

その場合自衛隊職員は該当者を選んで相当な量の書き写し作業をしなければなりません。そこで、あらかじめ該当者を抽出して印刷したものを提供することができないか、照会を受け、これに応じたものです。

しかし、住民基本台帳法には情報提供の手法について規定がありません。

そこで、①規定が無いからできない ②規定がないからできる、の両論がありえます。

②の規定が無いからできる、を選択した場合、制度趣旨から個別に考える必要があります。

自衛隊法は国の機関として行政機関の保有する個人情報に関する法律が適用される組織であって厳格な取り扱いが確保されています。

政府の見解では

――自衛隊法第97条第1項及び自衛隊法施行令第120条の規定によって、自衛官及び自衛官候補生の募集に関し必要な資料を市町村の長が自衛隊地方協力本部に提出することはこれらの規定に基づいて遂行される適法な事務であって住民基本台帳法上に明文の規定が無いからと言って、特段の問題が生じるものではないと考える—―

とあります。これは平成26年10月24日付けの衆議院議長に対する内閣総理大臣の答弁書です。

何が問題点となるのか、問題点は提供の手法でしかない、紙ベースの提供も単なる閲覧も情報の提供という意味では共通している。したがって、手法の妥当性を議論しても意味がないと私は思っている。

むしろ、提供において問題になるのは、相手方における目的の範囲内での取り扱いの確保であって、その適正管理をいかに担保するかということではないでしょうか。その点は名簿提供の依頼文において適正管理を明確化させているので問題はないと考えます。以上、私の所見です。

ここで、質問にお答えいたします。

まず、自衛隊からの名簿提出の依頼を断っても良いと考えるか及びこの依頼を断らなかった理由について合わせて回答します。

自衛隊からの依頼を受け資料提供するかどうかは、市が判断するものと認識しています。

依頼を断らなかった理由は法令に基づく資料提出の依頼でありその目的が前にもお答えしたように、市の法定受託事務である自衛官等の募集に関する事務であるからです。

【ねぎし議員】(3)名簿の提出は、自衛隊法とその施行令第120条による法令の適正な執行であると、先の議会の委員会で市は答弁しました。しかし、その施行令に名簿提出まで出来ることの根拠を見出すことは困難です。この見解は、逆に、圧倒的に多くの、名簿提出をしていない自治体においては、名簿提出をしない根拠ともなっているものですし、何よりも、憲法によって保障された人権の一つであるプライバシー権を侵害してはなりません。

本市は、名簿提出の行為を、プライバシ―権を侵害するものとは考えなかったのでしょうか。考えなかったとすれば、その理由は何でしょうか。

《市長》名簿提出がプライバシー権の侵害と考えなかったのか、また、その理由についてです。

自衛隊への資料提供は個人の権利、利益を侵害するものとは考えていません。その理由は法令等に基づいた自衛隊に対する適正な外部提供であるからです。

 

【ねぎし議員】(4)さらに言えば、本人の知らないところでやりとりされた個人情報が、本人に不利益な使い方をされるおそれがあり、どんな自己情報がどこに集められているかを知り、不当に使われないよう関与する権利、すなわち、自己情報コントロール権、情報の自己決定権も、プライバシー権として認めるべきだと考えられるようになっています。自衛隊神奈川地方協力本部で、実際にその名簿がどんな扱われ方をしたのか、市は、横須賀の若者のかわりに、つかんでいるのでしょうか。

ア 若者に送付した郵送物の実物はどんなものであったか、市はつかんでいるのか。

《市長》次に送付した郵便物の把握及び送付先への配布状況について合わせて回答します。

市が資料提供したことによって自衛隊が募集対象者への送付した郵便物について把握はしていません。

イ 渡した名簿先にすべて出した、もしくは出さなかったなど、送付状況をつかんでいるのか。

《市長》また募集対象者への送付状況も確認していません。ただし、自衛隊は提供を受けた資料を自衛官及び自衛官候補生の募集業務に利用するとし法令に基づき適正に管理することとしていますので、適正に使用管理しているものと考えています。

ウ また、このような名簿を出したことを、公表すべきではないか。ある自治体では、若者が、私の名前を提出しないで、という申し入れを行い、提出されずに済んだとのことです。そもそもこのようなことが行われているということを若者が知らなければ、それさえ行使できないことになり、情報の自己決定権がないがしろにされてしまいます。できないならば、その理由は何でしょうか。

《市長》

名簿提供事実の公表の必要性とその理由についてです。

市が自衛隊に対して、資料提供したことについては個人情報保護条例に基づいて適法に提供し自衛隊も法令に基づく事務を執行するため提供した資料を適正に管理し利用していることから公表する必要はありません。

 

        ・・・2問目・・・1問目の答弁を受け、一問一答で行う(要旨)

 

【ねぎし議員】 「住民基本台帳第11条は閲覧させることを請求することができるとなっている。

しかし、名簿の提供とはうたわれていない。例外規定はない。」

《市長》    「私が出来ると判断した。できる規定だから出来ない規定ではない。閲覧させることができるから、提供することもできると判断した。」

【ねぎし議員】 「例外規定が無いから、閲覧しか認めないと考えるのが妥当ではないか。名簿の提供をできるようにと都合よく解釈している。住民基本台帳法に基づかない名簿提供は違法なものだ。よって、横須賀市個人情報保護条例にも違反している。市長はこじつけている。

こういう法令解釈では、横須賀の若者の個人情報の漏洩へとつながる。」

《市長》    「出来ない規定がないからできると思っている。それ以上でもなければそれ以下でもない。ねぎし議員の主張は自衛隊罪悪論に基づいている。」

【ねぎし議員】 「私は自衛隊罪悪論で言っているのではない。自衛官募集をなぜ自治体の手を借りて行うのか。安保法制以降日米一体となって戦争する国づくりが進んでいることに起因する。今は自衛隊の任務の内容が変わってきている。自衛官のなり手がない。だから自治体の手を借りて自衛隊を募集している。これが背景だ。」

《市長》    「自衛隊が確保されるのは大切なこと。本市にとっても良いこと。」

【ねぎし議員】 「戦前も自治体の中に兵事係が置かれ、若者の名簿登録を行い、徴兵制に結び付けていった。戦時になると赤紙を兵事係は配りに行った。過去の歴史を繰り返すようなことを自治体がやってはならない。」