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本日、6月定例議会が終わりました①幼児教育・保育の無償化に関連する事業についても反対。なぜ?・・・「もともと料金が減免されている住民税非課税のひとり親世帯などは無償化による恩恵は全くなく、ただ、消費税の増税分がのしかかることになるだけ」だから・・・

議案の賛否が問われる最終日です。

これまでも、日本共産党は、否決する議案については、どうして反対するのか、その理由をしっかりと述べる反対討論を、

また、賛否を悩みに悩んだ議案で、賛成はするが、こういう注文を付けておきたい、という議案には、賛成討論をしっかりしてから、賛否に臨んできました。

 

今回もそれです。

まずは、大村洋子議員が行った、反対討論から。

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日本共産党の大村洋子です。

会派を代表して議案第47号一般会計補正予算、議案第57号 特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例中改正について、

議案第58号 保育園条例中改正について、議案第59号 市立学校の授業料等に関する条例中改正について以上4議案について反対の立場で討論いたします。

4つの議案に反対する理由に共通するものとして、根底に10月に予定されている消費税の10%への増税の問題があります。ここを避けて討論は出来ませんので、まずは、私たちの立場を明確にしておきたいと思います。私たちは消費税の増税は中止するべきと考えています。なぜならば、端的に言って消費税の増税は、暮らしと経済に取り返しのつかない大きなダメージを与えるからです。特に許しがたいのは所得に関係なくかかる逆進性の最たるものである点であり、「格差と貧困」をますます広げることとなるのは明らかだからです。

では、少子高齢の今の日本と横須賀の社会保障と福祉の制度や施策を支える財源をどこに求めれば良いのでしょうか。やはり消費税しかないのでしょうか。そうではないと私たちは考えます。税金の集め方を変えればよいと考えます。例えば、大企業の法人税の実質負担率は国税庁の資料によれば10%です。一方、中小企業は18%です。大企業に中小企業並みの法人税を課税するならば4兆円の財源が生まれる試算となります。マスコミではあまり報道されませんが、国民が約30年間払い続けた消費税の累計は約397兆円ですが、同じ時期に大企業への法人3税を減税した額の累計は約298兆円です。およそ4分の3が大企業減税の穴埋めになったというのが歴然たる事実です。ですから、消費税の増税は市民生活国民生活をますます厳しいものにすることは火を見るよりも明らかであると同時に、消費税の増税分は社会保障を支えることに今までも充てられてきたとは言い難く、また、今後も期待は出来ないと思います。加えて言うならば、現在の所得税の最高税率は1億円で28.8%となっていますが、不思議なことにその100倍所得のある100億円の税率は15.9%と下がっています。通常、利益を上げたり所得のたくさんある人は税金もそれなりに納めるというのが当たり前ですが、この所得税も前述の大企業への法人税も逆さまの税負担率となっています。このような不公平・不公正な税のしくみに目をつむり、取りやすいところから取っていくという、消費税の増税は国民市民に負担を強いるやり方だと言わざるを得ません。るる述べましたが、消費税の増税は百害あって一利なし。4議案はこの消費税増税を前提に行われる施策でありますから、私たちは認めることは出来ません。

以下具体的に述べていきます。4議案を主に2つの観点で述べます。1点目はプレミアム付商品券事業について、もう1点は幼児教育・保育の無償化に関連する事業についてです。

まず、プレミアム付商品券事業についてです。3月定例議会でも申し上げましたが、この事業を行うにあたり、所管の商業振興課では正規職員を3名増員、さらに4名の非常勤職員とで合計7名体制をとっています。事業は税務部、福祉部、こども育成部、市民部など多数の部にまたがり個人情報を扱うため非常に丁寧な対応が求められ、事務作業は煩雑となります。内閣府はプレミアム付商品券事業の目的を「予定されている消費税率の10%への引上げに際し、所得の少ない方や0~2歳の小さな乳幼児のいる子育て世帯に対して、税率引上げ直後に生じる負担増などによる消費への影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起・下支えすること」としています。しかし、そもそも所得の少ない方や乳幼児のいる世帯は、わざわざ商品券を購入するほどお金や時間に余裕のある世帯でしょうか。負担増の緩和と言っても一過性のものでしかなく、「焼け石に水」であることは明らかです。本市としては法定受託事務ではないけれど、やらないわけにはいかず、具体的に体制を整えざるをえないという立場だと思います。事業効果が不透明なうえに、非効率的な財政出動による負担が極めて大きいという点を考えれば、このような事業を押し付ける国に対して、私たちは憤りすら覚えます。したがって、前述のとおり消費税増税が前提となっているこのような事業の補正予算案を我が団としては認めることはできません。

次に幼児教育・保育の無償化に関連する事業についてです。

教育福祉分科会の質疑において本市では無償化の対象となる施設のうち認可外保育施設は全部で38あり、そのうち指導基準を満たしていない施設が現時点で少なくとも4施設あるということが明らかとなりました。この事業ではこれらの施設にも5年間の給付が行われることになります。保育士の配置や施設の不備などがあっても、国がお墨付きを与えることになり、子どもの安全に問題ありの施設でもそのまま経営を続けることが可能となります。「赤ちゃんの急死を考える会」のあるお母さんは初めて預けたその日に3か月の長男を亡くしました。赤ちゃんは1時間泣き続けていたにもかかわらず、まともに抱き上げてもらえず、うつ伏せ寝による窒息の状態で亡くなったそうです。保育士は研修も受けておらず、蘇生法もわからなかったといいます。施設のホームページには「いつでも笑顔で子どもを帰します。」と書かれてあり、そのお母さんは安心して施設にこどもを預けたのに結果、裏切られてしまいました。このような事例は後を絶たず、保育事故でこどもを亡くした親御さんたちは認可外施設の指導基準すら満たさない施設への補助金給付は「こどものいのちを危険にさらす。受け入れられない」と厳しい批判をしています。待機児解消のためと言いつつ、このような小手先の乱暴極まりない政府の方針は到底認めることは出来ません。緊急に行うべきことは、無償化よりも公立を含む認可施設の大幅な増設です。さらに詳細な点まで触れるとするならば、今回の事業において教育の一環である給食の費用は公費で負担するべきであり、実費化、保護者負担は公的保育制度を後退させます。私立保育所の場合等では徴収業務を現場の保育士に担わせるというのも問題です。また、もともと料金が減免されている住民税非課税のひとり親世帯などは無償化による恩恵は全くなく、ただ、消費税の増税分がのしかかることになるだけです。最も暮らしに余裕のない世帯に何も恩恵がないどころか、負担が増えるとはどういうことでしょうか。幼児教育・保育の無償化という美辞麗句を全面に押し出して、消費税の10%への増税を強行しようとする政府の目論見は到底認めることはできません。

 したがって、関連する4議案に反対することを態度表明しまして、日本共産党の反対討論といたします。