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2023 2、27 代表質問 全文 (一問目のみ)

代表質問2023、2,27

日本共産党のねぎしかずこです。

市長の施政方針と2023年度予算案に対し、会派を代表して質問いたします。

さて今年はどのような年になっていくのでしょうか。どのような年にしていかねばならないでしょうか。目の前には、大軍拡を進める国の動き、困難を抱える市民生活の実態があります。

それらを踏まえた自治体としての本市の役割は何か、以下、市長に伺ってまいります。

思えば、1年前の昨年2月、ロシアによるウクライナ侵略が始まり、昨年の代表質問の冒頭では大村洋子団長がいちはやく抗議の態度表明、その後、横須賀市議会として決議もあげました。

きのうまで平穏な街中が一瞬にしてがれきの山と化す惨状を見るにつけ、あらゆる武力・暴力による威圧的な行いは禍根を残すだけ、との思いがつのります。 しかし、このウクライナ危機に乗じて日本では、憲法9条の改悪や「核共有」、「敵基地攻撃」など、戦力を増強しようとする危険な動きが表面化しております。それが具体化される米海軍横須賀基地や自衛隊施設をかかえる本市は、はたしてこのような動きに無縁でいられるでしょうか。

 

本市にとっても、戦争の足音が近づいてくる大問題と考えますので、今回の代表質問は、まず、いの一番に、 戦争を支えるまちに向かっていないか

問うことから始めたいと思います。

 

昨年12月に政府は「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」、いわゆる「安全保障3文書」で国の安全保障原則の大転換を国会審議もせずに閣議決定で押し通しました。そして、このような安全保障原則の大転換を図ろうと、岸田首相は5年間で43兆円、GDP(国内総生産)比2%の防衛費を打ち出し、医療、年金の財源を流用してでも進めようとしています。

市長は施政方針の中で、「日本の安全保障環境に貢献することは横須賀市長の責務」だと表明しておられますが、暮らしをつぶしてでも軍事政策を優先させる現政権の方針に唯々諾々として良いのでしょうか。市長は、米海軍基地と自衛隊施設を抱える自治体の首長として、この方針をどう受け止めておられるのでしょうか。伺います。

 

今回の「安保3文書」では、日本が直接攻撃を受けていない場合でも、アメリカ政府が始めた戦争を「存立危機事態」と認定し、集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行う考えを明記しています。現在開かれている国会における議論の中で浜田防衛大臣は「我が国が限定的な集団的自衛権を行使したあと、事態の推移によっては他国からの武力攻撃が発生し、被害を及ぼす可能性がある」と重大な発言をしています。さらに防衛大臣は「こうした武力攻撃を排除するために必要な措置をとる」と述べ、報復に対するさらなる攻撃に言及し、日本に大規模な被害が生じることを否定できないと認めています。本市は多くの自衛官や基地で働く市民が暮らしており、甚大な被害にさらされる可能性が高くなります。市民の命と暮らしを守る責務がある立場の市長として、「敵基地攻撃能力」の保有がもたらす本市への被害が想定されることに対して、どのような思いをお持ちでしょうか。伺います。

 

 軍事力強化にはしる前に、外交力を高めることが政治に求められるはずです。今こそ政府と国会は「敵基地攻撃能力の保有は明らかな憲法違反」という、歴代政権がこれまで維持してきた憲法解釈にもとづき、平和外交による解決を進めるべきです。日本の在り方を実質的にかえてしまう今の岸田政権による大軍拡路線に対して地方自治体から警鐘を鳴らす必要があると考えますが、市長のお考えを伺います。

 

ところで、今はもう「新しい戦前」ではないかという声も聞かれるように、この間の状況は、本市にも戦争が忍び寄ってきている、と、思わざるを得ないものばかりです。一昨年6月16日に成立した土地利用規制法ですが、これも、本市を戦前のようなまちにしてしまう恐れのあるもので、これまでも何回か取り上げてきました。基地や自衛隊施設周辺の様々な市民の活動や土地建物の利用を規制するこの法が施行されたことにより、昨年の末には29か所の特別注視区域と注視区域の指定がされました。これは初回の指定であり、2回目以降に本市も指定されかねないものです。

 

また、誘導ミサイル駆逐艦「シュープ」が何の前触れもなく、昨年12月19日、米海軍横須賀基地に入ってきた、という出来事も、戦前を想起させるものでした。市は、入港翌日の20日に防衛省南関東防衛局からの連絡で知ったとのことです。従来は、新たな配備については、当日のうちに当局から連絡があったといいます。弾道ミサイル防衛(BMD)能力を備え原子力空母ロナルド・レーガンの護衛の任務を行うという米艦船の突然の入港について事後連絡で済まされてよいはずはありません。

戦前、全国の港湾に、国の戦争遂行のため好き勝手に軍艦の出入りを許していた反省を経て、戦後は港湾を自治体の管轄にしたことを鑑みれば、米海軍横須賀基地への突然の軍艦入港は、いくら米軍への提供施設であり本市の管理は及ばないとは言え、その精神からすれば、本市に立地している港湾が、乱暴に戦前へ逆戻りさせられたと言っていいのではないでしょうか。

今回の誘導ミサイル駆逐艦「シュープ」のようなことが二度とないよう、在日米海軍司令官に直接申し入れするべきです。市長のお考えを伺います。

 

そして、報道によれば、今年春頃に「横浜ノースドック」に小型揚陸艇部隊が新たに編成、13隻約280人が常時配置され県内の既存米軍施設になどに居住するとのことです。私たちはこのような横浜ノースドックの恒久化につながる動きを認めない立場ですが本市に対して、280人の居住に関連して何らかの報告はあったのでしょうか。伺います。

 

ところで、市長は施政方針の基地についての中で防衛力整備計画に触れ、「陸上自衛隊通信学校をシステム通信サイバー学校へ改変し、サイバー要員を育成する教育基盤を拡充すること、防衛大学校ではサイバー領域を含む教育・研究の内容と体制が強化されることが明記されました」と述べておられます。そして「横須賀がまさしくサイバー人材の育成拠点という安全保障の新たな役割を担うことになるものと確信しています」とも述べておられます。

この施政方針の内容には非常に唐突感を覚えました。このような「改変」は本市にいつどのように知らされたのでしょうか。伺います。市長は「地域の平和と安定、そして日本の安全保障環境に貢献することは横須賀市長の責務です。」と述べておられます。歴代の市長のおおかたは、外交防衛は国の専管事項だと考えておられましたが、上地市長は、積極的に「責務」とまで踏み込んで述べておられるその思いについて、市長のご所見をお聞かせください。サイバーの育成教育の体制強化とのことですが、電磁波等、周辺住民の生活環境への影響については何かしら説明は受けているのでしょうか。地域の方々へのお知らせ等は行われたのでしょうか。あわせて伺います。物理的な軍備増強ではないとおっしゃるかもしれませんが、明らかに質の転換であり、自衛隊施設の機能強化にあたると思われます。市長のご認識を伺います。

これは本市の市是である旧軍港市転換法からの逸脱ではないでしょうか。過日の市制施行記念式典で上映された特別映像の中では何度も「横須賀市は平和産業港湾都市を目指す」という趣旨のナレーションがありました。サイバー領域の体制強化は、平和産業港湾都市を目指すという横須賀市の初めの志から大きくかけ離れてしまうと思いますが、この点についての市長のご所見を伺います。

 

次に、 暮らしを支えるまちの実現について、です。

 

これまで述べてきたように、国が、戦争準備のために税金を湯水のように投入しようとする、これでは、ますます国民の生活は立ち行かなくなります。

私たちは昨年末より市民アンケートを行い、物価高騰によって家計はどうなりましたかという設問で市民のみなさんに暮らしの実感を伺いました。厳しくなった、良くなった、変わらない、その他という4つの選択肢の中で、現段階での集計で69.2%が厳しくなったと回答しています。給料や年金が増えないのにガソリン、電気、ガス、食料品の値上げが止まらず、やりくりが本当に大変だというのです。

私たちは予算議会の審査の際に、毎年、国の政治がひどいからこそ、市政は市民生活の防波堤にならなければならないと訴えてまいりました。2023年度をスタートする今ほどそれを強く感じたことはありません。

 

ところで市長は施政方針のなかで、「行政の最大の目的は住民福祉の増進であり、全ての施策はそのためにあるべきとの思いで、日々市長の任に当っています。」と表明されています。また、「観光とスポーツを軸とした活性化の流れと海洋都市としての道筋をより発展させ、このような流れが果実を生み、その果実が物心両面で福祉の充実に貢献し、人を豊かにする、幸せにする、という福祉の本来の意味を、市民のみなさんに感じていただけるようにしたいと思っています。」と表明されており、まちの賑わいと市民の中のワクワク感の醸成を図る施策が随所に掲げられていますが、であれば、その果実を「住民福祉の増進」へと収斂していくことこそ大切です。猿島の観光の振興にと、3億円ものトイレを設置するなら、そのお金を市民生活のほうに使ってほしかった、との思いが、私たちが行った市民アンケートの自由記載欄にも書き込まれておりましたが、市民の皆さんの住民生活をあたためる要望に適格に、そして直に答えていただくよう、要望します。そのためには、市民の中に分け入って、市長みずから肌で確認していただきたいとも思います。

というのも、2019年の代表質問で市長はこのようにおっしゃっています。「禅問答のようになりますけれども、何をもって市民の暮らしかという議論にせざるを得ないと思っております」「市民の暮らしと日本共産党さんはいつもおっしゃるのだけれども、とりわけ、日本共産党さんがおっしゃる市民というのは特定の市民ではないかとしか思えないところもあるのです。」このようにおっしゃっています。確かに私たちはもっともっと広い視野で各種各階層の市民のみなさんとの意見交流が必要だと思っています。では市長は「誰も一人にさせない」とおっしゃる際にその「誰も」に対応すべく広範囲の市民のご意見に耳を傾けていらっしゃるのか、と、問われることになります。市長は今まで間接的に多くは職員から報告を受けるという形だったと思いますが、ストレートに市民のご意見を聴く機会はなかったのではないかと思います。「誰も一人にさせないまち」へ向けて、市民との直接対話の場を設けてはいかがでしょうか。提案いたします。

 

さて、ここからは、 暮らしを支えるための具体的な施策について質問いたします。子育て関連、高齢者関連の順で伺います。

 

 まず、長期にわたって費用がかさむ子育てに対する負担軽減についてです。なお、市はこのたび、子どもの医療費を18歳まで無料にする方針を掲げました。代表質問で取り上げようと準備していた矢先でした。私たちは子どもの医療費に関しては、年齢の幅を拡げるよう長年にわたって要望してまいりましたので、大いに歓迎するものです。

 

さて、

子育て関連の一点目は、義務教育に関わる費用の軽減についてです

憲法26条は「義務教育は無償とする」と定めているものの、実際には、様々なお金が徴収されています。

本市の中学1年生の場合、修学旅行の積立金4万円を除いた、ドリル代などの教材費だけでも、年間1万5千円以上の出費があると聞きます。26条の精神からすれば、教科書のみならず、この「隠れ教育費」とも呼べるものにもスポットを当て、無償化を目指すべきではないでしょうか。

 

そして、何といっても、毎月かかる給食費の負担は重く、給食費を無償化する自治体が増えていることは承知のことと思います。

 学校給食法第2条では「学校給食は食育である」という旨の記載があり、食はまさに教材です。ですので、これも、ドリル代などとともに、無償化は当たり前といえるのではないでしょうか。本市の場合、小学生は月4500円、中学生は5400円ですからひとりの子どもにつき小中学校9年間の合計は518400円にもなります。また、小学生ふたりと中学生ひとりがいる家庭では、月に14400円、年間では172800円にもなり、親ひとり分のひと月の給料がほぼ消えてしまうとの話も聞きます。

なお、昨年の6月定例議会での日本共産党の井坂直議員の質問に対し市長は、「学校給食法第11条では、食材料費は保護者負担とされている」との認識を示しましたが、本市のみならず、学校給食の無償化に消極的な自治体の論拠に、第11条に学校給食費は「保護者負担」と明記されていることを引用する場合が少なくありません。しかし、2018年12月6日参議院文教科学委員会で、吉良よし子議員の質問に対し、当時の文部科学相は、この規定は、1954年の文部事務次官通達のとおり、給食費の一部を補助することを禁止する意図はないこと、さらに、地方自治体がその判断によって全額補助することを否定するものではない、と答弁しております。
本市も、11条に関わる認識を新たにし、給食費の無償化に踏み出すことを求めます。ご答弁ください。<
 子育て関連の二点目は、 妊婦健康診査についてです

 市町村事業であるこの診査に対し市は、神奈川県内の市町村平均額71417円を少し上回る75500円の公費負担をしています。

しかし、県のこの額は全国最下位のものであり、全国の平均額105734円と本市の75500円を比べると3万円も低い水準となっています。これを全国水準にまでアップして、妊婦健康診査を全額自己負担無しで受けられる方向を目指そうではありませんか。答弁を求めます。

 そして、三点目に、子どもの数が多いほど家計に響く、国民健康保険の子どもの均等割額の減免を求めます。私たちは、繰り返し、前市長の時代から、これを求めてきました。

 

上地市長になってからも、2018年11月29日の一般質問において求めました。その際私は、公費の負担がどれだけ必要か調べ、「国民健康保険に加入している市内の子どもの数は約1万人ですので、2億5,000万円ほどでできるかと思います」と提起しました。それにする市長の答弁は「現在の財政状況においては困難であると考えます」でした。しかし、県が小児医療費助成を就学前から小学校6年生まで拡大すると表明しており、それに伴って生み出される額は1億2千万円ですので、その活用で、半額の減免は可能ではないでしょうか。

加え、2018年から5年後の今は、子どもの数は減っていますし、就学前は均等割額を半額に減免する国の措置も始まり、ずいぶん、自治体での公費負担額のハードルは下がってきているのではないでしょうか。あとはやる気だと思いますがいかがでしょうか。

 

2020年2月28日に行った代表質問では、「国からの交付金においてペナルティーを科されてしまう」から「減免は適当ではない」と減免をしりぞけられました。

しかし、全国各地でこの動きが進んでいる自治体の多くは「特別な事情」がある場合に、市町村が条例を定めて減免できることを規定した国保法第77条を活用しています。すなわち、被災、病気、事業の廃止など、何を「特別な事情」と見なすかについては自治体首長に委ねられているため、子どもがいることを「特別な事情」と扱えばペナルティーは科されないはずです。

このような条例減免の仕組みを積極的に活用し、踏み出してはどうでしょうか。今回も「出来ない」と言うならば、どのような理由で出来ないのか、答弁を求めます。

 

さて、高齢にともなって必要になるものへの支援も欠かせません。年金受給者のかたからは、光熱水費や家賃を支払うと、年金の大半が消えてしまうという訴えも聞くところです。ましてや、高額な補聴器に出費する余裕などないことは深刻です。私たちは2021年2月26日に行った代表質問でも、高齢になるほど会話が聞こえづらくなる加齢性難聴の方たちへの補聴器助成を求めました。聞こえないがゆえに会話がうまく成立せず、社会からも家庭からも独り取り残されたような疎外感を味わうかたを無くすことは、市長の言われる誰も一人にさせないまちへの試金石でもあります。 

ひどくならないうちに補聴器をつけることが大切だと言われているものの、高齢者の難聴はご自身では気づきにくいため、2年前の代表質問では、聴力検査を市で実施してはどうか、補聴器購入に際しては公的助成制度の創設をしたらどうか、求めましたが、市長は、現時点では難しいとの答弁でした。

 

 医学専門誌の論文で、認知症に至る12のリスク因子が示され、最も高いのが難聴とのこと。市の認知症対策を進める上でも、難聴対策は不可欠です。2年前の答弁では、特定健診で行うのは趣旨が違うのでできないということでしたが、まずは実態調査を進めるためにも、あらゆる機会をとらえて、工夫してやってみてはどうでしょうか。

また、答弁では、聴力検査実施には、一定の設備を備えた医療機関において耳鼻科専門医による体制を整備する必要があり、できないとのことでした。であれば、市の医師会や耳鼻科専門医などに相談を持ち掛けてみてはどうでしょうか。合わせて伺います。

東京の港区では、すでに医師会が区に先駆けて独自に65歳以上の区民を対象に区内の耳鼻咽喉科において無料で聴力検査を行っているとのことです。なお、この医師会の独自の調査結果では、65歳以上の78、9%が難聴者で、約16%が難聴によって仕事や生活に支障がある、約19%は仕事を難聴のためにあきらめたと回答しているそうです。

 

 難聴者のうち、補聴器の所有割合は、日本は、他の主要国の2分の1以下と言われています。昨年末時点で全国123自治体が実施に踏み出しており、補聴器購入に際しては公的助成制度の創設を本市でも行うことを再度求めますが、いかがでしょうか。

次に、脱炭素社会を実現することについて です。

 

市長は、施政方針で、脱炭素社会への移行に向けた取り組みを加速させていくと表明しています。具体的には、公共施設への太陽光パネル設置、老朽化した空調や照明を省エネ効果の高い機器に更新するなどがあり、これらは、私たちが繰り返し求めてきたことでもあり、うれしく思います。

また、施政方針では、新たに中小企業セミナーを開催するとともに、市民・事業者向けに太陽光パネル設置やEV購入に対する助成などを継続するとしていますが、継続するためにも省エネ政策に通じた専門的知見をもつ職員の育成が重要であると考えます。一般家庭・自営業・工場・農漁業などさまざまな職場環境・建物の特性に対して適切なアドバイスができることは大事なことだと考えますが、市長のお考えを伺います。

脱炭素は気候危機回避とともに、地域経済に好循環をうながすチャンスでもあります。先日、横浜市の私鉄駅構内で次世代太陽電池の実証実験を行った報道があり、注目を集めています。再生可能エネルギーや省エネ機器の技術進歩は一般的な私たち市民には伝わってこない面もあり、情報ロスは避けなければならないと感じました。脱炭素社会の実現、ゼロカーボンシティはまちづくりであることを、改めて市民のみなさまにさまざまな場所で工夫してアピールすることを検討してみてはいかがでしょうか、伺います。

なお、脱炭素社会へと言うならば、6月から久里浜で石炭火力発電所が本格稼働することを、私たちは、市民の健康にとっても地球に与える影響においても憂慮すべき大きな問題だととらえており、引き続き取り組んでいくことを表明しておきます。

次に、PFAS問題の原因究明についてです。

 

米海軍横須賀基地の排水処理施設からのPFAS流出について伺います。昨年12月15日に本市も国とともに米海軍基地への「立入り」を行いました。その後の大村洋子議員の文書質問の回答によれば、米海軍基地排水処理施設への粒状活性炭フィルター設置後となる11月2日のサンプリング不備について、市長は「非常に残念な結果」と認識されています。決定的に大事なサンプリングだったのに、よりによってこの時は不備であったという米海軍に対して、私たちは不信感を抱かざるを得ません。11月18日もサンプリングを行っていると思いますが、11月から2月までに行ったサンプリングの分析結果は報告を受けているのでしょうか。また、その数値は改善されてきているのでしょうか。あわせて伺います。

また、今年2月1日我が国の水質汚濁防止法施行令が改正されPFOS,PFOA等が指定物質に追加されました。したがってこのような状況下にあっては単に暫定基準値50ナノグラムパーリットルを大きく下回っているといったような確認の仕方ではなく今後の基準値改定も見据え、米海軍基地からの情報提供についても数値をしっかりと確認することが必要だと思います。その点について市長のご認識を伺います。在日米軍が策定する「日本環境管理基準(JEGS)」ではPFOS等は有害物質のリストに掲載され、その保管方法、廃棄手続き、漏出時の対応要領等が定められているものの、排水としての取扱いに関しては規定されていないとのことですので、我が国の水質汚濁防止法施行令に添わせる必要があると思います。

 また、本市は現在独自に海水を採取し定期的に確認しているところですが、海水だけではなく、海底に沈殿した土砂や魚介類についても検査することが必要ではないでしょうか。「釣った魚を孫には食べさせられない」との市民の声を聴いていますので、この際、市として市民の不安払拭のために独自検査の項目を増やしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。市長のお考えを伺います。

 前述の文書質問の回答で市長は「希望箇所のサンプリングが実施できなかったことは残念」とおっしゃっています。市は現地調査や説明してほしい事項をたくさん持っていましたが、そのほとんどが叶いませんでした。ですから、米海軍基地への「立入り」を1度で終わりにするのではなく、再度、求めることが必要だと思いますが、市長のお考えを伺います。

そして、何よりも大事なのは、しっかりと原因究明させることです。これまでも、市長は繰り返し、求めてこられたと承知していますが、今後も粘り強く求め続けることを、強く求めます。

 

次に、マイナンバーカードやデジタル化など、国の方針をそのまま引き受ける弊害についてです

 

その一例として、健康保険証のマイナンバーカード化について取り上げたいと思います。政府は、来年の秋から、現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへの統合を目指し、そのためのオンライン資格確認システムの導入を医療機関に4月から義務付けるとしていますが、そのシステムでトラブルが続出し、医療現場は頭を抱えていると聞きます。

インターネット接続にトラブルが発生した場合や災害が起こって停電した時には保険証の確認ができず、保険診療ができなくなっては、医師も患者さんも大変なことになります。本市の医療機関の診療中断を防ぎ、患者さんも診療を断られないよう、すべてをデジタル化するのではなく、アナログを残すよう、国に意見すべきではないでしょうか。市長のお考えを伺います。

 

次に、 統一協会と接点を持ったことを不問に付さず、公正な市政へ転換を図ることについてです

 

昨年夏の元首相襲撃事件以来、事件の容疑者と同様に深刻な被害を受けている統一協会の二世やご家族が全国に数多くいるという実態が明らかになりました。昨年12月には「法人等による寄付の不当な勧誘の防止等に関する法律(不当寄付勧誘防止法)」が成立し1月5日には施行されたものの、統一協会では、信者への高額な献金の働きかけが継続して行われているとの報道もあります。

さて、昨年12月定例議会で日本共産党の大村洋子議員が、市長と統一協会のかかわりについて質問したところです。その後、私たちが情報公開で得た文書によれば、2021年5月31日に行われた催しに市長が送ったお祝いメッセージには「開催に尽力された世界平和連合神奈川連合横須賀支部をはじめ関係する皆様に深く敬意を表します」「貴会の更なるご発展を」と綴られていました。

また、その会場はベイサイドポケットとなっており、市の公共施設が貸し出されたことも判明しました。

関連団体のイベントであるピースロードに関しても、情報公開で判明した部分だけでも、2019年、2020年、2021年と、毎年、担当課長が市長代理としてピースロードの表敬訪問に対応、ピースロードからのメッセージを受領していたことも情報公開で明らかになりました。

 

大村洋子議員のこの件での質問に市長は、今後はメッセージなどは送らないとする一方、「公共の福祉を害すると思われる行為を継続しているとの認識がなく、対応が誤っていたとは考えていない」と過去の出来事を不問に付す発言をされ、さらに、「過去にさかのぼってどうのこうのということ自体ナンセンスだ」と逆に大村議員を非難して矛先をかわしました。

ところで、神奈川新聞が行った神奈川県内全首長アンケートの回答結果によれば、今後の対応に関する問いへの回答のなかで、「当該団体は、法令違反や著しく公共の福祉を害すると思われる行為を行っている可能性がある団体として、文部科学省から質問権の行使がされているものと理解している」とも市長は述べておられます。

 

そこで伺います。市長は、過去を不問に付さず、ご自身の言動が、統一協会が行うことにお墨付きを与え、被害の拡大に一役買ってしまったのではないかと反省し、公正な市政運営からはずれていたと、いさぎよく認める態度表明をしていただきたいと思います。いかがですか。

 

また、公共施設の貸し出しについても同様に、不適切であったといさぎよく認めて、今後、公正な市政運営をすることを表明してください。

 

次に、 福祉援護センターかがみ田苑に対する今後の市の方針についてです

 

福祉援護センターかがみ田苑におけるスタッフの労働問題、その指定管理者である社会福祉事業団の経営状態、さらには指定管理者としての選考時における市とのやり取り等、この間、多岐にわたって市長に伺ってまいりました。2023年度をスタートするにあたって、また、次の指定管理者の選考について、現時点でのお考えを確認しておきたいと思います。

昨年11月に行われた「福祉援護センターのあり方に関する懇話会」の議事録を読みますと「生活介護」や「就労継続B型」について具体的に論じられています。市は福祉援護センターかがみ田苑についてどのような方針を持っているのでしょうか。市長のお考えをお示しください。次期の指定管理者選考についてどのような方向性をお持ちでしょうか。あわせて伺います。

 

次に、 学校現場で子どもの権利条例を生かすことについてです。

 

病気や経済的な理由以外で年間30日以上登校していない不登校の小・中学生は、全国では、2010年からの約10年で小学生の不登校は約3倍、中学生では約1、4倍となっており、過去最多となっています。本市でも同様の傾向が見られます

様々な要因が考えられますが、今回は、昨年7月より「横須賀市子どもの権利を守る条例」が施行されていますので、学校現場でこの条例が生かされているか、という視点から伺います。

本市の複数の中学校で、靴下の長さがくるぶしより下はダメと先生から注意されたと保護者から聞きました。一方的に「こういうルールがあるんだからそれに従え」と身なりチェックが行われ、おおかたの生徒は、不本意ながらも3年間をやり過ごしていく、これはハラスメントであり、条例第5条子どもの個性が尊重される権利、すなわち、子どもは、その個性が尊重されるため、一人一人の個性や考え方が尊重され、自分の意思を自由に表現し、それが尊重されること、と明記された権利がないがしろにされていることでもあると思います。これでは、子どもにとって、学校は、行きたくなるところ、安心した居場所にはならないでしょう。

ハラスメントをなくし、意見表明権を保障する環境を教育の場でも整えるよう、子どもの権利条例の浸透に心をくだくことを市長に求めるとともに、学校現場での不条理な身なりチェックの押し付けなどが行われていないか聞き取りをしてはいかがか、教育長に伺います。

次に、ジェンダー平等社会の実現について、ダイバーシティーの観点から伺います。

過日、「見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だ」という同性婚についての元総理大臣秘書官・荒井勝喜(あらい・まさよし)氏の発言が大きな議論を巻き起こしました。市長は施政方針の中で「私は、あらゆる差別や人権の問題を解消したいと考え、政治家を志しました。」とおっしゃいました。その思いは性的マイノリティ・LGBTQの施策に一つひとつ結実してきていると思います。我が国は総じて自分らしく生きることができる社会へと変わりつつあると思いますが、他方、家父長制を土台とした結婚観、家庭観は未だ根強く残っていると思います。夫婦は男女のペアから構成され、父、母、こどもというセットになった家族、それが日本の古来からの世帯のありかたであるというような考え方です。しかし、時代は変わり、結婚する、しない、こどもを産む、産まないに縛られることなく、また結婚のあり方についても同性婚や選択的夫婦別姓などの考え方が広く社会に認知されてきており、国民の気持ちに法制度がついていけない状況と言わざるを得ません。以前にも市長には結婚観や家庭観について伺ったことがありますが、変化の速いこの分野の認識について改めてお考えを伺いたいと思います。結婚観、家庭観、同性婚や選択的夫婦別姓について現在どのようなお考えをお持ちでしょうか。法制化についていかがでしょうか。あわせて伺います。

関連で、施政方針の中で用いられた「雌伏」(しふく)という表現について伺います。「雌伏」とは聞き慣れない言葉かと思います。「雄」と対比される動物の性別である「雌」が「伏せる」と記されますが、施政方針では「はじめに」の冒頭部分と「結び」の冒頭部分で市長は「雌伏」という表現をされました。前後の文脈から考えますと「実力を養いながら活躍の機会をじっと待つ」というようなニュアンスかと思います。他方で「雌伏」という言葉の意味には雌鳥が雄鳥に従うという意味から人に屈伏して従うことという意味もあります。「雌伏」の対語となる「雄飛」には、雄鳥が舞い上がるように勢い盛んに活躍することという意味があります。当然にも市長は女性が従う存在であるとか男性こそ勢いよく舞い上がる存在であると思って、この表現を用いられたのでないことは承知していますが、率直に言いまして、施政方針の言葉として相応しいとは言えないと思います。

と言いますのも、~ジェンダー平等と多様な性を尊重する社会を目指して~というサブタイトルのついた「第6次横須賀市男女共同参画プラン」がもうすぐ完成となると思いますが、この策定過程では非常に丁寧に言葉選びを行い作り上げられてきました。日進月歩のダイバシティーの分野について審議会委員のみなさまの多種多様なご意見の結晶と言っても過言ではないと思います。ですから、本市のジェンダー平等、ダイバシティの到達点をさらに引き上げるためにも日々の言葉使いに気遣いをと申し上げたいと思います。るる述べましたが、施政方針において市長が「雌伏」という言葉を用いた思いについてお聞かせください。

 

最後に、これからの時代にふさわしい水道施設の在り方について上下水道局長に伺います。

 

昨年の12月定例議会における一般質問では、横浜市との共同施設である小雀浄水場と、市の単独施設の有馬浄水場、この双方は廃止の方向で検討していること、また災害時や事故の際に必要な水が安定供給されるバックアップ体制が十分検討されておらず、廃止の決定はこれからであることが明らかになりました。

ところで、神奈川県と横浜市・川崎市及び横須賀市の議会から選ばれた議員で構成される神奈川県内広域水道企業団議会・1月定例会で川崎市議会から選出された日本共産党の井口まみ議員は、「かながわ広域水道ビジョンでは、県内3つの浄水場を廃止する水道システム再構築の効果額は施設整備費で約800億円と見込んでいるが、きわめて曖昧な数字である」ことを指摘しましたが、これは理事者側も認めており、今後「令和5年度には再構築に向けたあらたな施設整備計画を策定し、その中でより詳細な、確度の高い効果額を示していく」旨の答弁をしています。しかし、そもそもは、まだ正式決定もされていない浄水場などの廃止を前提にした施設整備計画を策定するということに、横須賀市の上下水道事業管理者として、どのような姿勢で臨むというのでしょうか。上下水道局長に伺います。

また、昨年の予算決算常任委員会生活環境分科会における予算審議の際、「小雀浄水場は2040年、有馬浄水場は2055年を目途に廃止したい」と経営部長は具体的な廃止年度まで示しています。これは、いくつかの浄水場を廃止しようとしている5事業者の中で、実は決定済みのことなのでしょうか、伺います。もし、そうであるとしたら、各自治体に諮らないで決めたことが問われるのではないでしょうか。伺います。

昨年の第21回5事業者水道事業連携推進会議では、令和4年度末に「水道システムの再構築」に向けた検討のとりまとめを行うスケジュールであり、神奈川県と横浜市・川崎市と横須賀市、そして企業団の5事業者で合意形成を図るとしています。今年度末に合意がされたとして、その合意内容は議会側に対してどのような形で報告がされるのでしょうか。伺います。