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福島原発の事故に関連して、米原子力軍艦の安全性を具体的に再検証することを求める申し入れ

2011年4月18日

横須賀市長   吉田   雄人   様

日本共産党横須賀市議会議員団

貴職は、4月15日に外務省に対し、「米原子力軍艦の安全性について」の要請をおこないました。この要請は、米原子力空母ジョージ・ワシントンの入港の連絡を受け、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故に関連して、市民の安全、安心を守る立場から原子力軍艦の安全性の再確認を要請されたと受け止められますが、確認すべき具体的な内容が一つもありません。

そこで、わが団は巨大地震と巨大津波及び福島第一原子力発電所の事故に関連して、最小限求められる原子力空母の安全性について国と米軍に確認すべき以下のことを貴職に申し入れるものであります。そして、自治体の首長として市民のいのちと安全を守ることを最優先する立場を明確に表明するとともに、その確認ができるまでは、米原子力空母ジョージ・ワシントンの入港を見合わせるよう国と米軍に要請されることを強く申し入れます。

  1. 福島第一原子力発電所の事故はINES評価でレベル7という最高レベルの事故となりました。深層防御をしているので絶対に起こらないと言われてきた冷却材の喪失が起こり、炉心溶融という最悪の事態に立ち至っていると言われています。したがって、いま安全確認で緊急に求められることは、いかなる事態に遭遇しても冷却材の喪失が絶対に起こらないという保証であり、その保証を科学的根拠を持って示すよう求めること。
  2. 軍艦が頑丈で耐性が強く設計されていることが冷却材の喪失が起こらないという保証にはなりません。安全性の確認は市と外務省とで確認できる問題ではなく、科学的、専門的な検証が求められます。そのため原子力安全委員会に常設されている「原子力艦災害対策緊急技術助言組織」などに依頼することを含め、広く専門家の知恵と力も活用した検証を求めること。
  3. 3月11日の地震発生時に原子力艦に供給している電力の停電はなかったのか、また原子炉の冷却機能維持のためにどんな措置が執られたのか。さらに、実施中のメンテナンスに支障は無かったのか。メンテナンス途中で出港した理由などについて明らかにするよう求めること。
  4. 地震と津波によって、艦内、及び陸上施設に異常が無かったのかなどを確認すること。艦及び陸上に設置されている発電所や純水装置の耐震性、津波対策などの情報公開を求めること。
  5. 福島原発事故の経過を見ても、市民の安全を守ることや不安解消には情報公開が不可欠であることは明らかです。安全性については「軍事機密」を理由に秘匿することなく情報公開するよう求めること。