15件は賛成、他3件には反対しました。最終日12月14日の本会議で行った反対討論です。
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日本共産党のねぎしかずこです。
私は、日本共産党を代表して、議案第97号、第99号、第100号に反対する立場から、討論を行います。
はじめに、議案第97号平成28年度横須賀市一般会計補正予算中、(仮称)中央こども園整備事業について反対する理由です。
(仮称)中央こども園は、子ども子育て支援新制度が推進する幼保連携型認定こども園を民間に拡げていくモデルとするものですが、私たち日本共産党は、そもそも、この子ども子育て支援新制度は、公的責任を後退させ、ひいては保育の質の低下を招く、と懸念しております。
また、このこども園の新設を契機に、なくさないでほしいとの声がある公立の諏訪幼稚園の廃止をいっそう強めていることも、承服できない大きな理由です。
さらに、このこども園新設の背景には、私たち日本共産党が以前より反対している公立保育園の再編計画があり、賛成できません。
すなわち、今回のこども園の新設は、上町保育園・鶴が丘保育園、この2つの公立保育園の廃止と抱き合わせであり、公立保育園の削減をねらう再編計画の実施であるからです。
横須賀では、潜在的待機児童数が119人もおり、認可保育園は増やすことこそ必要で、「統合」という言葉をもって公立保育園の数を減らしていいわけがありません。
また、遠くに統合することは、いくら本庁管区内での移動とはいえ、いくつもの小学校区をまたいでの移動であり、車での送迎が迫られるでしょう。車を利用すればしたで、近隣の方々への朝晩の交通渋滞や騒音などを引き起こしかねません。小学生よりも大変な、ゼロ歳などの乳幼児やその保護者の送り迎えを考えれば、本来、施設は、地域に点在していることが望ましいのではないでしょうか。(仮称)中央こども園整備事業は、地域でこどもをはぐくむというこれまでの子育ての在り様からも遠ざかるもので、あちこちの地域のこどもたちをまとめて預かることは、災害時の対応においても心配です。
市長が「こどもが主役のまち」を本気で目指すならば、効率面を優先して、こどもや保護者の身になって考えないこれら事案は、速やかに改めるべきと考えます。
次に、議案第99号(横須賀市農業委員会の委員等の定数に関する条例制定について)と第100号(横須賀市農業委員会委員候補者選考委員会条例制定について)についてです。反対する理由は、この条例が、農地の番人である農業委員会の性格を変え、農地の最適化、すなわち流動化のみを行う行政の下請機関へと変質させてしまうものだからです。
ところで、この条例は昨年改定された農業委員会法に基づいたものであり、新しく変わった農業委員会法は、一言でいえば、農民の代表機関としてのこれまでの農業委員の権限を奪い、家族経営を中心として営まれてきたこれまでの農業のありようを崩すものです。
まず、農業委員の選任方法を、これまでの公選制を廃止して市長村長の任命制に変え、恣意的な選任を許すものとなりましたし、また、旧・農業委員会法に掲げられていたものがいくつか削除されたものとなっています。
たとえば、「目的規定」からは「農民の地位の向上に寄与」を削除していますし、「業務」からは「農業・農民に関する意見の公表、建議」を削除しています。また、農業委員の要件から「区域内に住所を有する」「耕作の業務を営む」との規定をはずし、別の地域で経営する法人や企業が事業拡大の意図をもって農業委員に入ることもできるしくみに変えました。
そのうえで、「担い手への農地利用の集積」「耕作放棄地の解消」「新規就農、企業等の農業参入」、この3点を、これまでの「できる規定」から「義務業務」と強化し、新しく置かれることになった農地利用最適化推進委員を中心に進めるとしています。今回の条例案では、新農業委員会の定数を15名とし、約半数の7名は、この推進委員にするとしており、農地の集積や企業参入が進んでいくことが懸念されます。
農地をこれ以上荒廃させないことは、農家にとってはもちろんのこと、地産地消を推進する上でも大切なことですし、中学校給食も始まろうとしている今、農産物の生育を体感できる環境がより身近にあることは、とても大切です。
このように、横須賀が誇る地場産業である農業を守る立場から、今回の条例制定には反対いたします。