3月3日、今年度補正予算と横須賀市基本計画について、ねぎしかずこ議員が反対討論をおこないました。本会議における討論が行われた後、双方とも、賛成多数で可決されました。
日本共産党のねぎしかずこです。
わたしは、日本共産党を代表して、市長提案の2議案に反対する討論を行います。
はじめに、議案第15号「横須賀市基本計画」の策定についてです。
今回の基本計画は、2025年までの約30年間にわたる本市のまちづくりの基本的方向を示すものとして議決された「横須賀市基本構想」、それを実現するための、残り後半部分の計画として策定されるものです。
まず私たちは、14年前の1997年に、「基本構想」そのものに同意できない旨を、反対討論で意見を表明しながら反対したところです。
今回の計画は、前計画を、時代に沿うよう見直しが図られたものとはなっております。また、策定にあたっては、市民の方々からの多様で貴重なご意見が反映され、また議決案件と初めて位置付けされたなかで議会も一緒になって論議を重ねてきたことには大きな意義を感じるものです。
しかしながら、そのおおもとの構想のあり方がやはり問われるという課題が残ったものであるため、反対いたします。
まず、基本構想にも明記されている超高速貨物船テクノスーパーライナーや東京湾口道路など、これら超大型開発の発想を本当には清算できていないという点があげられます。
振り返ってみれば、前回の基本計画では「広域的な連携プロジェクト」の推進として、野比沖人口島や首都圏新空港という計画が掲げられておりまして、私たちは、これら超大型プロジェクトを推進することは、横須賀の海や緑を大きく損ねるものであり、なにより、市民の願いから発していないものとして、もともと反対をしてきたところです。
今回の計画では、具体的なプロジェクト名まで明記されてはいないものの、「基本構想」に掲げられた東京湾口道路について、「手を下げないでおこうと思っている」との《横須賀市基本計画の策定に関する特別委員会》での理事者側からの答弁もあったように、本市としていまだ超大型プロジェクトをあきらめていないという姿勢があることは認められません。
今回これらプロジェクトを掲げなかったのは、主に財政事情によって立ち消えてしまったからと思われますが、無謀なプロジェクトへの未練が断ち切れない、とでも言うべき姿勢は、改めるべきです。
つぎに、基地の存在について、わたしたちは14年前の1997年、この計画のおおもととなる基本構想そのものが、米軍基地の存在を前提とする基本姿勢となっていると、反対の態度をとりました。その後の状況を振り返ってみますと、「可能な限りの米軍基地の返還」や「自衛隊施設の集約・統合の要請」を前半の基本計画のなかでうたっているにもかかわらず、イラクやアフガンに米艦船等が向い、原子力空母も配備されたことにも示されているように、基地機能が逆に強化されてきました。そうであれば、後半の計画は、前半の計画のこの部分をもっと厳格なものにすべきです。多発する米兵犯罪をなくす取り組みや、これまでの基本計画時には存在していなかった原子力空母の常駐という新しい状況のもとでの防災の取り組みなどを、抜本的に盛り込む必要があるのです。しかし、今回の計画も、前回の計画とほとんど変わってはおりません。ここにも、市民の不安や願いをまずは一番に尊重しようとする姿勢は感じられません。
さらに、安保改定50年を過ぎ、基地の存在が問われるこれからの時代の基本計画として、基地の縮小・返還を描いたものとすべきであると思います。
そもそも基本計画は、「旧軍港市転換法に基づく旧軍港市転換計画としての役割を持っています」と、基本計画の中にも明記されているように、基本計画が担わなければならない役割があるのであり、この役割からしても、不十分と言わざるを得ません。
以上、横須賀の将来にわたる都市づくりの基本に関わる点で同意できず、今回の基本計画にも、反対いたします。
ふたつめには、議案第2号平成22年横須賀市一般会計補正予算についてです。企業立地に伴う債務負担行為を設定するという案件では、わたしたちは、本市に企業を誘致するということは理解するものですが、その施策の在り方については、体力のある大企業にまで奨励金を支出するということに、これまでも反対してまいりました。今回も、体力のある大企業に、上限いっぱいの5億円を支出しようというものであります。
その財政力があるならば、まず、子育てや社会保障の拡充に本市の財政を使うことが求められていると思いますので、これについても反対いたします。
以上、2議案に対する、日本共産党の反対討論といたします。