日本共産党横須賀市議団

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見解・資料
2011年3月2日

2011年第1回定例会、井坂議員の代表質問

2011年第1回定例会で3月2日、井坂議員がおこなった代表質問を掲載します。


日本共産党の井坂新哉です。私は日本共産党市議団を代表いたしまして、施政方針並びに予算関連議案について市長、教育長のお考えをお聞きいたします。

日本経済は、長引く不況により冷え切っています。政府が出す景況報告では景気の下げ止まりなどの言葉も聞かれますが、経済が良くなる気配も感じられないというのが私たちの実感ではないでしょうか。この原因は、労働者であり消費者でもある国民の所得が減っていることが大きな原因だと私は思います。政府は税と社会保障の一体改革として、消費税の増税も検討されているようですが、それではますます国民・市民のくらしが冷え込むことは間違いありません。一方で政府は法人税減税を行いましたが、その減税分が国民に還元されるかについては、不透明なままです。法人税減税が国民にとってどのような効果があるのかを示さないままでは、景気が良くなるとは到底言えないと思います。

そのような中で、地方自治体として市民生活を守り、地方自治を広げるために、国に対してしっかりとものを言っていく姿勢が必要になります。

2011年度予算案は市長の2度目の予算案であり、今回は基本計画の策定、3年間の実施計画の策定などで今後の市長のビジョンがはっきりするものとなります。予算案には、学校の空調設備を計画より前倒しして設置することや重症心身障害児者施設の整備に向けた公募、ヒブワクチンなどの無料接種の体制整備など、個々の施策については前進したものが見受けられますが、市長の基本姿勢については問題があるものと思います。

さて、今回市長が述べられた施政方針を伺いますと、前段の市長の基本姿勢を示す部分では、地方自治に関連して国と地方との関係の在り方を述べ、また米軍基地や安全保障については今までより一歩踏み込んだ発言をされております。これらの問題については、これから具体的に質問する項目の中で合わせてお聞かせいただきたいと思います。

最初に財政問題についてお伺いいたします。

財政問題についてはこれまでも論議を交わし、地方交付税や臨時財政対策債の問題、政策の優先順位を市民にわかりやすくすることなどを取り上げてきました。今回出された財政基本計画の内容を見ますと地方交付税や臨時財政対策債の問題など、財政の本質的な問題点を明らかにしたことは一程度の評価ができるものと思っています。

私たちはこれまでも、他都市との比較では、本市の財政状況は著しく悪い状態ではないことを指摘するとともに、市として行いたい政策が思うようにできないという点では財政が厳しい状況だということを示してきました。他都市と比較すると財政指標が著しく悪い状況ではないこと、第二の夕張になるような状況ではないことについては、市長も認めているところだと思います。

さて、財政問題でお聞きしたいのは、今回の予算案でも財政基本計画でも、臨時財政対策債の発行を満額としない方向を打ち出していますが、その考え方についてお伺いするとともに臨時財政対策債を含めると一般会計の市債残高は増えていることについてどのようにお考えか、お聞かせください。

さて、次に市長は財政の立て直しとして財政再建をマニュフェストにも掲げられていますが、私は財政を健全に保つことは大事だと思いますが、財政を良くすることが目的になってはいけないと考えています。財政はあくまで市民サービスの向上のために市が行う事業を実行するための裏付けであり、手段であると考えおり、財政を良くすることを口実に必要なサービスを削るのでは本末転倒だと思うからです。財政再建を述べられている市長の基本的なお考えをお聞かせください。

次に事業仕分けについて伺いますが、先の質問者と重複するところを省略し、発言通告の(2)と(3)について質問をいたします。

昨年行われた事業仕分けについて私は委員会などでも論議をさせてもらいましたが、その必要性、選定方法、仕分け作業の視点などが本当に効果があったのか、疑問が残るものでした。

市長はこの事業仕分けについて新たな視点というのは第三者の意見と言っていましたが、私が思う新たな視点というのは、今まで論議をされてこなかった意見だとか、今まで気づかなかった視点というのを指すものと理解していましたが、市長の考えとは違うようなので、お伺いしいます。今回の事業仕分けでどのような点が今までに論議がされてこなかった内容だと思ったのでしょうか。また、今まで気づかなかった視点だと感じた点はどういうものなのでしょうかお聞かせください。そして、その意見、視点が今回の予算案にどのように反映されたのでしょうか、お聞かせください。

次に地域経済の活性化と産業ビジョンについてお伺いいたします。最初に市長のマニュフェストとの関係で伺いたいことは、今回産業ビジョンの改定を行いますが、マニュフェストの中には地域経済活性化基本条例を策定すると述べておられます。地域経済活性化基本条例の策定についてはどのようにお考えなのでしょうかお聞かせください。また、条例と産業ビジョンのそれぞれの位置づけについてお聞かせください。

さて、地域経済の活性化は、市民アンケートでも示されているように市民が優先してほしいと思う課題の一つであり、基本計画のアンケートに対する回答でも政策の優先度について51.9%の方が、地域経済の活性化を上げ、第1位になっています。それだけ、市民のくらしが切実な状況になっていることを表し、働く場所の確保とまともに働き、暮らせるようにしてほしいとの願いだと感じています。

さて、そのような市民の切実な要望が寄せられている地域経済の活性化ですが、産業ビジョンについて見てみると、成長が期待できる産業への重点的な投資として、EVへの支援、地産地消、観光産業、シルバーマーケットへの支援が中心となっています。

産業ビジョンについてまず率直にお聞きしたいのは、産業ビジョンのなかに建設業、福祉、医療分野が出てきませんが、なぜ、この分野はほとんど出てこないのでしょうか、お聞かせください。そして、全産業に占める建設・福祉・医療の就業人口はどのくらいになるのでしょうか、お聞かせください。

また、市長は賀詞交歓会などの新年のあいさつの中で、お金の地産地消ということを述べておられますが、産業ビジョンにその考えはどのように反映されているのでしょうか、お聞かせください。

これから考えるべきは、市内の多くの方が携わっている産業にどう光を当てていくかという視点も必要ではないかと思います。

産業ビジョンの中では、各産業別の従業者数なども統計として出されておりますが、そこにはこの数年間で従業者数が伸びている産業として福祉分野が取り上げられていますが、新たな取り組みの位置づけはされていません。私は福祉分野が産業として果たす役割についても視野に入れる必要があると思います。

例えば、2011年度には、特別養護老人ホームが3施設、300床できますが、この施設の開設により雇用はどのくらい増えるのでしょうか。およそ100床の1施設で80人の雇用が増えるといわれていますので、300床で約240人の新たな雇用が生まれます。特別養護老人ホームなど福祉関連施設は確かに補助金の支出や介護保険費用の増大、社会保障費の増などの面はあるにしても雇用という観点から考えれば、純粋に従業員が増えることになるので重要な位置づけになるのではないでしょうか。また、福祉施設の建設に携わる企業が市内業者であれば、どれだけ地域経済の循環に役に立つのでしょうか。私は、このような視点がこの産業ビジョンには入っていないのではないかと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

次に、地域経済の循環という観点で、昨年第4回定例会でねぎしかずこ議員が住宅リフォーム助成制度の創設を求めましたが、市長は他都市の状況を調べたいという答弁でした。まず、他都市を調べてみての感想をお聞かせください。

今年に入り、相模原市がこの制度を創設し、10万円以上の工事に一律5万円の補助を出すこととし、3000万円の予算をつけました。この制度の創設は全国200以上の自治体が緊急経済対策として取り上げています。また、国会での管首相の答弁でも、この制度の有効性を認め、国の経済対策の交付金を活用してほしいと答弁しているところです。このような状況を踏まえ、住宅リフォーム助成制度の創設を行うべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。

次に、企業誘致策について伺います。私たちも企業が横須賀市に進出することや市として誘致の働きかけをすることを否定するつもりはありませんが、現在の誘致策がどれほどの効果があるのかについては、これまでも指摘してきたところです。

先日全議員配布された企業誘致アクションプランによれば、2003年からの8年間で、奨励金は約15億8000万円支出し、固定資産税の免除などの不均一課税免除による減税額は約6億6000万円となっており、誘致企業の納税額は216億6千万円となっています。

企業誘致の成果をどのようにみるかについてはその指標の捉え方が難しい部分ではありますが、本市全体の法人税収入の推移を見ますと各年度によって波はありますが、おおよそ2000年ごろと比較してほぼ同水準の55億円程度となっています。

誘致企業の雇用状況を見ますと、誘致した企業の進出した時の従業員数と現在の従業員数の比較では、進出時が1,673人で現在は、1,436人となっており、合計で237人減っている状況です。しかし、従業員の市内在住者を把握している企業の市内在住の従業員は286人から374人と88人増えている状況です。

市が誘致した企業のアンケートでは、18社の内11社が市の制度が立地の決め手の一つとなったと答えています。確かに進出企業としては資金面での助成があった方がいいと思いますので、このようなデータが出ると思いますが、一方で帝国データバンクが1192社を対象にアンケートを取っており、324社から回答を得たデータでは、企業が立地先を決定するときの重要要因としては、第1位が市場への近接性、第2位が地価、第3位が用地面積の確保が容易かどうか、となっており、助成や協力体制というのは、7番目とアンケートの中では低い状況でした。

これらのデータからは、企業として助成制度はあればうれしいが、それが立地の大きな要因とは言い難いというのが現状ではないでしょうか。また、他都市でも同じような企業誘致の助成制度を設けているとなるとこの制度によるインセンティブはどれだけあったのかというのも課題になると思います。

このような状況で、しかも限られた財源の中でこれからの企業誘致をどう考えるかは転換を図っていく必要があるのではないかと考えます。

先ほど紹介した帝国データバンクのデータでは、第5位に労働力の確保、第6位に関連企業への近接性などが挙げられていますので、このあたりにもっと着目して、人材育成や労働者が住みやすい環境作りを図ること、市内の中小企業などの技術や優位さをアピールすることなどにその費用を振り向けるなどで、対応したらどうかと考えています。

また、静岡県の長泉町は人口約4万人の町ですが、昨年の地価公示価格が上がった数少ない自治体として知られています。ここでは企業誘致策として土地購入の一部を補助金として出していますが、一方で小児医療費の自己負担を中学3年生まで無料にするなど子育て支援に取り組むことで町に転居する方が増えたり、出生率が国の平均より高くなったとのことです。

定住人口を増やすとともに雇用の場を創出するという観点からも、このような取り組みが重要だと思います。企業誘致策の在り方について見直す時期に来ているのではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。

また、企業誘致策として、労働力の確保という観点からも、労働者が住みやすい環境をつくることが大切だと思いますので、子どもの医療費の無料化を拡充することなど女性が働きやすい環境をつくることが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

次に、市長が発言しているお金の地産地消との関係で、指定管理者制度における市内業者の優先、市民の優先雇用、管理業務の再委託などの市内発注の促進などについてお伺いいたします。

市長は、建設工事や業務委託などの入札制度においては、市内業者でできるものは市内業者の優先は必要としていますが、指定管理者制度で市内業者ができる管理業務について市内業者の優先についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

市長は、地元雇用などについて指定管理者選定の採点項目に入れているからとしていますが、それが実際どれだけ効果を示しているか確認する必要があると思います。そこで伺いますが、市外業者で市の施設を管理している団体の市民雇用はどのくらいなのでしょうか、また業務の再委託については市内業者にどのくらい発注されているのでしょうか、お聞かせください。

昨年末の12月に総務省が、指定管理者制度の運用についての留意事項を助言として(昔でいう通達ですが)各自治体に通知しました。

その内容はこれまでの運用の中で留意する点があるとして8つの項目が記されています。ここで注目すべきは、「公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービス提供者を指定するもので、単なる単価競争による入札とは異なるものであること」と記され、経費の削減が主眼ではないことが述べられています。

また、「指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、指定管理者の選定にあたっても指定管理者において労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮がされるよう、留意すること」としております。

まず、市長はこの助言をどのように受け止めておいででしょうか、お聞かせください。

指定管理者制度における市の方針でも経費の削減ができるかどうかは目的の一つとなっています。全国的には経費の削減に偏ったために安全性が損なわれ、事故が起きるケースがあったり、途中で運営できなくなるなどの問題が発生したことを受け、総務省がこのような助言をしたと思います。指定管理者制度も導入から8年を経過し、本市でも2回目の選定が一昨年行われました。管理料の多くが人件費にかかわることから、これ以上の経費削減はあまり期待できない状況になってきていると思います。このようなに制度の運用が進んできた段階でその変化を受けて、市の方針も見直す時に来ているようにお思いますが、市長のお考えをお聞かせください。

また、指定管理者の法令遵守との関係でいえば、労働条件や雇用状況などについて市がもっと把握し、適切な指導をする必要もあると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

私たちはこれまでも公共事業における下請け業者の賃金を保障するために公契約条例の制定を求めてきました。千葉県野田市に続き、川崎市でも公契約条例が制定されました。公契約条例は、公共事業の分野に限らず、このような指定管理者にも低賃金での労働を規制する取り組みになり、官製ワーキングプアを防ぐものとして期待されますので、本市としても早期にこの公契約条例を制定する必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

次に介護保険制度の改定に伴う問題について伺います。政府は、今国会に提出するための介護保険法の改正案を示しました。その内容を見ますと介護従事者の処遇改善をこれまでの国の交付金で対応していたものを介護報酬に反映させることや要支援者の生活介護を給付から外し、地域支援事業にして各自治体の判断で行うかどうかを決定するなどの措置がとられようとしています。私は、このような改定では、介護予防にもつながらないし、保険料は上がるが、介護が受けられないという状況を広げてしまうと危惧しています。市長は今回の介護保険法の改定についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

また、市長は施政方針の中で、今まで以上に自主性を発揮することが求められることを述べながら、国に対しては、子ども手当の地方負担の問題を例に挙げ、「一方的に国が決め、地方に従わせるといった地域主権改革の理念からかけ離れた政策決定を改め、国と地方が真に対等な立場で協議することができる場の法制化や、確実な財源移譲を伴った権限移譲の推進を主張していく」とされ、「変化に対応するのではなく、けん引するという姿勢で臨む」としていますので、このような介護保険の問題なども現場の声を国に届け、本当に政策としてそれでいいのか、市としての考えを伝えていくべきではないでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。

次に、障がい者施策についてお伺いいたします。

まず、重症心身障害児者の施設建設についてです。この問題は早期の設置を私たちも求めてきましたし、他の会派からも早急に対応することを求められてきた課題でした。今回、設置者を公募することが発表され、建設に向けて一歩前進したと感じています。しかし、重症心身障害児者施設の建設を明記した障がい者福祉計画ができてからすでに8年が経過しており、これまでの取り組みがどうだったのか問われるものと思います。これまで長年にわたって何を検討してきたのでしょうか。これほど時間がかかった理由をお示しください。また、これまで施設設置者の公募すらされてこなかった一番の理由は何か、お示しください。

次に、施設の公募の条件を見ますと、土地建物、人材を含めてすべて公募者が用意するとなっています。これまで私たちは、市の遊休土地の活用について市にとって必要な施設であれば無償の貸付なども考え、施設設置がしやすいようにすべきだと論議を交わしてきました。市長も検討するとの答弁がありましたが、その検討の結果、無償貸し付けなどはしないということなのでしょうか、お聞かせください。

さて、重症心身障害児者施設の設置については、いろいろな都市でも苦労していることはご存じのとおりです。ある都市では、市が施設建設をしたにもかかわらず、運営主体が見つからないことがあったなど、設置の難しさがあると聞いています。そのようなことを考えれば、いかに設置に向けてのハードルを下げるかが重要なカギになってくると思いますが、市長は、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

さて、今回の検討会では、知的障害児の入所施設も一緒に検討をしていたと思いますが、知的障害児の入所施設は建設に向けての動きがないと聞いています。なぜ、今回設置に向けての取り組みがされないのでしょうか、お聞かせください。

次に、かがみ田苑の今後の在り方についてお伺いいたします。

障がい者自立支援法の施行から2011年度で5年を迎えることから、日中活動の場として、かがみ田苑がどのような施設に移行するかの検討を進め、パブリックコメントにかけられました。

そのような中で、かがみ田苑の指定管理者を公募で行う方向が出されています。私たちは、事業の継続性などを考慮すると公募にそぐわないとしてきましたが、検討会での論議で公募にすることが答申されています。

しかし、パブリックコメントにおける意見を見ますと公募とする意見もありましたが、圧倒的に現在の指定管理者であるかがみ田苑に運営をお願いしたいとの意見が寄せられています。

検討会に出されたアンケートでもかがみ田苑の利用者の8割以上が現在の指定管理者である社会福祉事業団にお願いしたいとのことです。それにもかかわらず公募にこだわるのは、市長の原則公募との意志が働いているのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

また、パブリックコメントに対する回答では、継続性よりも専門性を重視したということですが、今回移行しようとする就労移行支援は、横須賀市で行う事業所はかがみ田苑だけであり、その専門性を問うならば、市外の業者にお願いするということなのでしょうか、お聞かせください。

また、専門性を語る上で就労支援などはそのノウハウや実習先の確保など継続することで培われる部分も多いはずです。市長はこのような支援に必要な専門性とは何だとお考えでしょうか、お聞かせください。

また、指定期間も通常の4年より長くし8年ごととしようとしておられますが、このような長期にわたる指定期間を設けようとする施設でPFIのソレイユの丘を除くとすべてが本市では指名となっています。それは、継続性と専門性が切り離せない内容だからだと思います。これから8年ごとに事業者が変わってしまうのでは、その専門性も失われていくのではないでしょうか。

さて、この専門性、継続性とつながる話ですが、かがみ田苑の通園期限をこれまで同様の6年としています。このことから利用者は長くても6年後に新たな日中活動の場を探すことになると思います。昨年、かがみ田苑の卒業生の受け入れ先として、社会福祉事業団は池田町に地域活動支援センターを開設したり、ハイランドには、ともしびショップハッピーベジタブルを開設し、新たに自主事業を始めました。これは、かがみ田苑の卒業生を受け入れる意味でも、本市の障がい者の日中活動の場を広げる意味でも、今後の重要な取り組みだと私は考えていますが、今後、社会福祉事業団がかがみ田苑の指定管理者を受けられないことになると、社会福祉事業団の存続が問題となり、このような施設の存続も問題となると思います。市長はこのような課題についてどのように対処しようとしているのでしょうか、お聞かせください。

私は、検討委員会の議事録をすべて読ませさせていただき、かがみ田苑のこれまでの運営に対する厳しいご意見があることを見させていただきました。このような状況を改善するために、一度原点に立ち返る必要があるとの委員のみなさんのご意見は十分理解できるし、よりよい運営にしたいという思いは同じ考えだと感じました。しかし、これまでのかがみ田苑に対する批判については、市としてのかがみ田苑の方向性をしっかりと見据えた運営をしてこなかったことに問題があり、障がい者福祉事業にかかわる多くの方の力を借り、社会福祉事業団の在り方を検討していけば、改善できる内容だったのではないかと思います。このような課題をクリアすることと公募にした時のマイナス面を考えると私は、指名で行くべきではないかと思っています。

これまでのかがみ田苑の運営に対する批判について、市長はどのように受け止めておられるのでしょうか、お聞かせください。

また、委員の中からは経費削減の観点で公募を採用するのではないということが述べられておられましたが、この点についてはどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

次に子育て支援について伺います。

まず、今国会に政府が提出を予定している子ども子育て支援法など、いわゆる子ども子育て新システムについて伺います。

政府は、新たな次世代育成支援のための包括的一元的システムの構築をするとして検討会を立ち上げ、1月末にこの検討会に政府案が提示されました。その内容は、市町村の保育実施義務を廃止して保育園と保護者の直接契約とすること、保育園などへの運営費の直接的な財政支出・財政保障を原則廃止し、保護者への個人給付に変えることなどです。これらの結果、市町村の保育事業への責任が大幅に後退するとともに、上乗せサービスの上限を決めないことでの格差が生まれることとなります。市長はこのような変更についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

次に第3回定例会でも取り上げました観音崎青少年の村についてお伺いいたします。

神奈川県は、昨年12月末に観音崎青少年の村を今年の3月31日で廃止することを発表しました。市長はこの発表についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

また、市としてこのまま廃止でよいとするものでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。

そして、市が行うことも考える必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

県立公園の方向性を検討している会議でもこの施設は重要との認識をされているようですが、そこでの論議の状況はどうなっているのでしょうか。単なるキャンプ場として活用するとの話もあるようですが、これまでの経緯を考えると青少年の利用に優遇制度を設けるなどの考えを市からも要請するなど積極的な働き掛けが必要と思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

次に市民病院の運営状況についてお伺いたします。

市民病院は昨年4月から地域医療振興協会が運営主体となり、早くも1年が経とうとしています。4月当初のスタートは2009年度よりも医師が7人、看護師が76人少なくなり、4つの診療科で入院診療ができなくなりました。また、この1年の間に、産科婦人科の医師が退職したことで、産婦人科の入院診療が休止、お産もできなくなりました。その後、職員や関係者のご努力により院内助産院が開設し、4月からお産ができるようになり、現在4月以降で4件の予約が入っているとのことです。また、2万人以上の署名を持って産科と4診療科の再開を求める要望書が市長に提出されるなど、市民病院の運営をめぐっては大きな動きのあった1年となりました。この1年を振り返り、市長として市民病院の運営についてどのようにお考えか、お聞かせください。

また、市政方針には市民病院の運営については一言も述べられておりません。このような1年を踏まえるならば、今後の方針についてご自分の考え、方向性について述べる必要があるのではないでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。

また、市民病院の予算案を見ますと入院診療を休止している診療科の再開をする予算とはなっていません。この1年間の医師や看護師を増やす努力がどのようにされたのでしょうか、お聞かせください。

さて、院内助産院の開設を迎え、市民病院でもお産ができるようになったことは大変喜ばしいことで、ぜひこの取り組みを広げていってほしいと思います。

そこで、お聞きしたいのは院内助産院を開設したとしてもお産をする方が、医師のいない助産院で産むことに対する不安をどう解消するかの課題があると思います。万が一の場合はうわまち病院の医師が見てくれるとは言え、まだまだ助産院で産むことについての理解が広がっているとは言えないと思います。

自然分娩によるお産の良さや産前産後のケアの充実など、いろいろな取り組みとともに市民にその内容を伝えていくことが重要と思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、そのような取り組みをどのようにしていこうとお考えでしょうか、お聞かせください。

2009年の民生常任委員会の視察で京都の福知山市民病院で院内助産院の取り組みを伺ったときに、担当の助産師さんが、院内助産院の開設については、出産数を増やすというよりもよりよいお産をしてもらう目的で院内助産院を開設したと話をされていたことが印象的でした。

市としてなぜ、院内助産院を持つことが必要なのか。また、市民病院がお産について果たすべき役割は何かという視点も大切になると思います。総合病院としてリスクのあるお産を取ることが一つの役割になることも考えると常勤医師を配置することは重要な問題です。市長は、市民病院がお産においてどのような役割を果たす必要があると考えているのでしょうか、お聞かせください。

次に教育振興基本計画に関連してお伺いいたします。

いま子どもたちの置かれている状況は大変厳しいものがあると思います。国連の子どもの権利委員会は昨年6月に、子どもの権利条約の実施状況にかんする日本政府の第3回報告を審査し、最終所見を採択しました。そこには「過度に競争主義的な環境による否定的な結果を避けることを目的として学校制度および学力にかんする仕組みを再検討すること」などの勧告が記されていました。

日本政府に対する勧告が出されるのは1998年、2004年に続いて3回目ですが、前回の勧告の「大部分が実施されていないか、まったく対応されていない」と指摘しています。そして貧困の増加の一方で、子どもへの福祉や補助が増えていないことに懸念を表明し、国および自治体の予算を精査し、子どもの権利を優先した「戦略的な予算方針」を決定することなどと具体的なことまで勧告されています。

さらに、教育については、教育制度が「高度に競争主義的」であるとし、「いじめ、精神的障害、不登校・登校拒否、中退および自殺」につながることを懸念すると述べています。

このように日本政府のとりくみは残念ながら極めて不十分もので、合格点にはほど遠い状況です。こういう中で本市の教育振興基本計画が定められようとしているわけですが、策定に携わっておられる方々のご苦労は大変なものがあろうと思います。

本市の教育振興基本計画については、パブリックコメントの意見集約が終わった段階で、内容に立ち入っての質問は控えたいと思いますが、学校教育に関して、何点か確認をしておきたいと思います。

教育は、すべての子どもが持っている成長・発達する権利を保障するために行われるもので、とりわけ学校教育には、すべての子どもに基礎的な学力を保障し、子どもたちが社会の主人公として行動できる能力の基本を身につけることを助ける責任があると思います。

したがって、教育振興基本計画を考える場合に、地域や家庭と連携していくことは当然でありますが、学校教育を担う主体が学校であり、学校が主体性をもってとり組まなかったらどんな立派な計画をつくってもうまくいかないのではないでしょうか。

主体性という点では、この基本計画が教職員をはじめとする学校関係者や保護者、地域にみなさんに自らの計画として受け入れられているかどうか。これが大切なことで、他から与えられた、あるいは、上から下りてきた計画では目標だけが押しつけられたものになりかねません。現場の声が十二分に反映し、この計画ならば子どもたちへの責任が果たせる、と教職員をはじめとする学校関係者や保護者、地域にみなさんが確信を持って取り組めるかどうかが大事なことではないでしょうか。

そこで教育長に伺いたいことは、学校の主体性の保障をどのようにされようとしているか、教育長のお考えをお聞かせください。

次に現場の声をどのように基本計画に反映しているかについてです。

この計画を策定するにあたって、関係者からのヒアリングをおこなって現場の声を生かそうとしていることは私も理解しております。ヒアリング報告書を見ますと教職員のみなさんのご苦労がよくわかりました。「子どもと接する時間がとれない。」「学校が抱えている一番大きな課題は、教員の多忙化の問題である。」「20時やそれより遅くなることも日常的になっている。」「横須賀の課題になっているいじめや不登校の問題も、解決策には、人的配置が必要。」「研修を増やせばいいという話ではなく、もっと校内で育てる仕組みを充実させる必要がある。」などなど悲痛の声に満ち満ちておりました。

この大変な多忙の状況を解決するにはただ人を増やせばいいというような簡単なものではないと言うことが分かりますが、しかし、一番に必要なことは何といっても人員の確保ではないでしょうか。

このような教職員の多忙な状況を解決するための施策が基本計画にどのように盛り込まれたかについて教育長のお考えをお聞かせください。

また、昨年の7月に文部科学省の中央教育審議会が「学級規模の引き下げ」を求める提言を発表しておりますので、少人数教育の推進についての考えも合わせてお聞かせください。

次に、基地問題に関連してお伺いいたします。

施政方針において市長は、基地問題に関連して今までの答弁よりも踏み込んだ内容の発言をされております。日米安全保障条約については「基本的な価値観や利益を共有し、政治や経済、さらに文化のどの分野において、深い関係ある米国と安全保障体制を中核とする同盟関係を結び、日本の防衛を補完することの必要性について認識を新たにしたところです。」と述べ、その必要性を強調しております。

また、前段では、日本国憲法の理念に従って、防衛の基本方針を堅持し続けていると認識されております。

そこで伺いますが、市長の言われる同盟関係というのは、軍事同盟のことを指しているのでしょうか、お聞かせください。そして、どのような事実、どのような意見、そのような考えに触れたことで認識が変わったのでしょうか、具体的にお示しください。また、基本的な価値観や利益を共有しているとしておりますが、アメリカはいまだにアフガニスタンに軍を展開し、戦争状態にある国です。さらに大量破壊兵器があるとのうその情報をもとに始めたイラク戦争では、ファルージャでの虐殺事件を起こすなど、これまでの行動が、憲法9条を持つ日本の価値観とは相いれないものだと思いますが、市長が述べた価値観とは、このような点に照らしてどう考えておられるのか、お聞かせください。

また、市長は日米安全保障条約の深化とも言われている状況や周辺事態法などの状況を捉え、海外でのアメリカの軍事行動に後方支援という形で日本が参加していることについてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

また、防衛の基本方針との内容についてですが、昨年12月に民主党政権は防衛計画の大綱を閣議決定しましたが、そこにはこれまでの自衛隊の役割を日本防衛に限定するとしていた基盤的防衛力構想によることなく、動的防衛力を構築すると述べられ、必要に応じて自衛隊をどこにでも緊急展開できる体制にし、戦争に備えるとしています。北沢防衛大臣はこの動的防衛力を担う組織について「米軍の海兵隊のようなもの」と例えました。このような状況が本当に日本国憲法の理念に合致していると言えるのでしょうか、お答えください。また、市長が言う日本国憲法の理念とはいったい何を指しているのでしょうか、お聞かせください。

さて、市長は日米安全保障条約を認め、現在の日本政府の行う防衛の方針を認めるというのであれば、原子力空母の配備は必要という立場だということなのでしょうか。原子力空母の配備についてのお考えをお聞かせください。

私は、今回の市長の施政方針の内容は、原子力空母の配備の是非を問う住民投票条例の受任者として署名を集めた市長の姿勢を大きく変えたものとして受け取らざるを得ず、このような姿勢は、吉田市長が批判してきたこれまでの官僚出身の市長となんら変わることはないと思います。吉田市長の基地問題での姿勢は大きな後退と言わざるを得ませんし、市長が所信表明で述べた「堪忍」という姿勢を大きく破る公約違反の内容と言わざるを得ませんが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

次に原子力空母のメンテナンス問題に関連してお伺いいたします。2009年、2010年と米軍は原子力空母の通常のメンテナンス作業として約4カ月にわたる修理作業をしており、今年もその作業が行われています。

このメンテナンス作業については、放射能を含んだ廃棄物が搬出されるなど、エードメモワールに反する内容があるとしてこれまでも追求してきたところです。そこで、まず伺いたいのが、このメンテナンス作業を行うに当たって米軍や外務省からなんらかの通知があったのでしょうか、お聞かせください。

また、今回の作業についてもその内容が明らかにされていませんが、市としてその内容を問い合わせしたのでしょうか、お聞かせください。

市長は、施政方針の中で基地問題に関連して情報公開について国に対し積極的に発言してまいりますと述べておられますが、市民への情報公開を進めるのであれば、米軍や外務省に内容を公開するよう求めるべきと思いますがいかがお考えでしょうか、お聞かせください。

また、8月に外務省に提出した応急対応範囲とファクトシートの記述の違いについての要望書の回答は外務省から来たのでしょうか、お聞かせください。

次に米兵犯罪への対応についてお伺いいたします。

私たち、日本共産党市議団は、これまでも米兵犯罪について市長が厳しい姿勢で米軍にもの言うことが必要と述べてきました。それは、地位協定などで米軍に特権が与えられていることなどから泣き寝入りが多くなっていることなどがあるからです。今年の1月30日に米兵が深夜の午前2時飲食店で女性のバッグを盗むという事件が発生しました。2006年の米が浜での女性強盗殺人事件をきっかけに飲酒規制が米軍内で決められ、平日午前1時から6時まで、土日は午前2時から6時まで基地外のパブリックな場所では飲酒を規制するとしてきましたが、今回の事件発生はその規制自身が守られない中での犯行でした。このような行為に対し、監督責任のある米軍に対し、抗議をするとともに厳しく対処するよう申し入れすべきと思いますが、市長はどのような行動をお取りになったのでしょうか、お聞かせください。

次に2008年に起きたタクシー運転手刺殺事件についてです。この事件は脱走した米兵がお金欲しさにタクシー運転手を刺殺した事件でした。公判では無期懲役が確定しています。その裁判の中でこの犯人は、脱走する前に米軍から行動制限を受けていたにもかかわらず、簡単に基地外に出ていました。そして、事件を起こした後、基地に戻り、その後また、基地の外に出ていることが分かっています。これらの経過を見てみると米軍の監督責任はどこまで果たされているのか、甚だ疑問です。

市長はこのような事実をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、行動制限を受けていた米兵が簡単に基地の外に出ることができるような状況についてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

そして、それを知った時にどのような行動をとられたのでしょうか、お聞かせください。


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