2011年3月22日
吉田雄人 横須賀市長 様
日本共産党横須賀市議団
井坂 新哉
ねぎしかずこ
大村 洋子
東北関東大震災を受け、昼夜を分かたず奮闘されている職員のみなさんに敬意を表するとともに日本共産党としても全力で被災者支援等にあたる決意です。
今回発生した地震は、マグニチュード9.0と世界でも4番目に大きい地震であったことに加えて、津波による被害は町をすべてさらって行ってしまうような過酷な状況でした。
また、福島第1原子力発電所では、原子炉の冷却機能が失われ、大量の放射性物質が放出され、関東にもその影響が来るなど被害の甚大さはこれからどの程度かかるのか予想もできないものとなっています。
現在、政府や各自治体、さまざまな団体が協力し、被災者の救援と避難地の確保などに向け全力を出しているところです。
しかし、被災情報の把握が遅れ、被災地へ物資が届かない、また医療の支援が遅れていることなどが指摘されています。また、原子力発電所の問題では、政府の対応の遅れなども指摘されるなど、多くの課題も挙げられています。
この大震災の影響は、本市でも計画停電なども行われるとともにガソリン不足や米などの不足により市民生活に不安を与えている状況です。
本市もこれまで被災地への救援活動、市民生活の不安解消のために取り組んでおられますが、いま大事なことは国や被災地からの要請待ちにならず、被災者受入態勢を整え、情報発信を積極的におこなうことです。そのような形で今後も被災者への支援と市民生活の不安解消のために力を尽くしていただきたいし、私たちも全力で支援に取り組む決意です。
このような立場から、今後の本市の支援活動をより充実し、広げるために日本共産党市議団として必要と考える項目を要請いたします。ぜひ、市長におかれましては以下の点を考慮して取り組まれるよう申し入れるものです。
記
1 被災地・被災者の支援のために
・ 被災者の受け入れをもっと積極的に行うこと。
例えば、現在使われていない社宅などの提供を要請することや、閉校した学校の校舎などを利用した受け入れをすることなどが考えられます。埼玉県では、廃校を利用しての被災者の受け入れを行う方向です。小学校であれば、給食室もありますし、調理室もあります。お風呂は老人福祉センターなどを活用することもできます。それと同時に、受け入れ支援のためのボランティアを募集するなど、考えられる最大限の取り組みを進める必要があります。
・ 避難地に医師・看護師・保健師などの医療チームの派遣を早急に行うこと。本市には市民病院が2つあり、指定管理者制度になったといっても市の病院でありますので、指定管理者に派遣の要請を行うこと。
・ 市民病院の空きベッドを利用し、治療などが必要な被災者の受け入れを積極的に行うこと。
・ 被災地に職員を派遣し、必要な物資の確認を行い、支援物資の市民からの受け付けを行うこと。義援金募金も振り込みだけでなく、本庁舎をはじめ各行政センター、市の各施設で行うこと。
・ 来年度、被災者・被災地への支援のための補正予算を組み、財源確保のため市民生活にとって緊急性のない公共事業は先延ばしにするなどの措置を取ること。
2 市民生活の不安を解消するために
・ 市としてこれまでも行ってきましたが、地域の情報を正確にかつ早く市民に知らせるためにこれまで以上に積極的に手立てをとること。
・ 市の施設については、停電などの状況を判断した上で市民生活に欠かせないものについては節電に協力しながら、できるだけ開館するように努めること。また、市の行事などについてもお祭りやお祝い事は自粛したとしても、市民生活にかかわるものについては、停電などの状況をよく判断し、できるだけ開催するように努めること。
3 原子力空母の安全性について
福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故は、原子力国際事象評価尺度のレベル5と報道されていますが、諸外国では、それ以上に類するとも見られています。この事故は、予想を超えた津波によって引き起こされたとされていますが、日本共産党の国会議員団、地元の党福島県委員会は、これまでも緊急用の補助電源などが稼働しない場合の対応について求めてきましたが、政府と東京電力はいっこうにその指摘に耳を傾けようとせず、安全対策を軽視していたことは明らかです。
また、事故後の政府、東京電力の対応が的確でなく、後追いの対策になったことや情報公開が不十分との指摘も受けています。このような状況を考えると万が一の事故に備えた対策がいかに大切かが明瞭になったと思います。
福島第1原子力発電所の事故を見ると、原子力空母の母港となり、原潜も多く寄港する本市の今までの安全対策が情報不足で米軍任せになっており、国、市としての対応が不十分だと改めて言わざるを得ません。
軍事機密により原子炉の状況はほとんど明らかにされておらず、メンテナンスもどのようなことが行われているかもわからないというあまりにも遅れた情報公開、原子力安全委員会などの専門家による安全性の検証がなされないこと、万が一の事故の際の連絡通報なども米軍任せであること、最悪の事故を想定しての原子力防災訓練をしていない状況など、今後改善すべき点は多々見受けられます。
私たちは、戦争をなくす国づくりのためにも、また、市民の安全確保のためにも原子力空母の配備は撤回すべきと考えておりますが、当面、市として今回の福島第1原子力発電所での事故を受け、原子力軍艦の配備や安全対策、さらには地域防災計画などについて、これまで市がとってきた対応について再検討すべきと思います。
市民の不安に耳を傾け、将来にわたって安心して住み続けられる横須賀とするため、日本共産党市議団として市長にこれらに対する市としての基本姿勢の再検討を行うことを要請いたします。
以上