2021年12月定例議会最終日、12月14日の本会議で、日本共産党を代表してねぎしかずこ議員が行いました。
私は日本共産党を代表し、請願第3号に賛成の立場から討論いたします。
この請願は、核兵器禁止条約を日本政府が署名及び批准するよう、市議会から意見書を出してほしいというものです。
請願者からは、核兵器禁止の運動にかかわるようになった経緯や被爆者のかたがたとの運動の来し方など、熱い思いを聞くことが出来ました。そして、あらためて、つくづく、これは、人類誰もが悲願する人道上の問題である、との思いを強くしたところです。
ところで、今年1月、この条約が発効の運びとなりました。
そして12月6日、この請願審議が行われた同じ日ですが、国連総会が開かれ、第1回条約締約国会議を来年3月に開催することを確認するとともに、署名・批准していない国に早期加盟を呼びかける内容の決議案が128カ国の賛成で採択されました。128カ国とは、国連加盟国のほぼ3分の2にあたります。
一方、核保有国と「核の傘」のもとにある同盟国を中心として反対は42、棄権は16であり、日本政府は4年連続となる反対票を投じました。
同条約をめぐるこのようなせめぎ合いのさなかに横須賀市議会から日本政府に意見書をあげることの意義は大きいでしょう。
さて、私たちがこの請願に賛成する理由を述べたいと思います。
その理由は、なんといっても、一日も早く核兵器ときっぱり縁を切ることこそが、全世界の人々の生存や地球の存続にとってなくてはならないものだと考えるからです。
他方、核兵器国及び核の傘のもとにいる国々は「国際安全保障環境を考慮に入れた段階的プロセス」が核軍縮の最良の方法だからとして、今すぐ禁止するわけにはいかないと、核を手放そうとしません。
「抑止力」として保持するだけと言っても、保持することは使用することが前提であり、発射ボタンを押してしまう寸前まで行ったというケースもあったことを思えば、手放すしかありません。
ですので、一触即発の緊迫した情勢であればあるほど核兵器は禁止して、政府に緊張緩和と信頼醸成を求める、これが世界の平和のためにとるべき唯一の道と考えます。
こと、基地があり、米空母の母港である横須賀の住民にとっては、直接、私たちの命にかかわる問題です。
それを示すものとして、米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」が11月17日に公表した報告書のなかみを紹介したいと思います。
報告書では、「台湾有事」で米国が軍事介入の動きを見せた場合、米空母とグアム、沖縄の米軍基地が核兵器による先制攻撃の標的になる可能性があると指摘しています。
基地があり、加えて米空母の母港ともなっている横須賀は沖縄と同じように核攻撃の標的になるのではないか、この恐れを否定できない、衝撃的ななかみです。
しかるに、横須賀の首長、上地市長は、県内の首長の中で唯一、ヒバクシャ国際署名にいまだサインしておりませんし、核兵器廃絶という大きな文字が刻まれたモニュメントも撤去してしまいました。このようななかで、市議会からこの意見書をあげていくことは、大きな意義を持つものと考えます。
また、日本政府がこの条約に署名・批准することを拒むことも、私たちには理解できないものです。
核の傘のもとにあるから賛成できない、ということは決してありません。
なぜなら、この間、ドイツで新政権を担う3党が発表した連立政権合意において、ドイツが核兵器禁止条約の第1回締約国会議にオブザーバー参加することを決めているからです。
NATO(北大西洋条約機構)加盟国からのオブザーバー参加表明は、ノルウェーに続いてこれで2カ国目になります。
同じ「核の傘」のもとにありながら、ドイツやノルウェーが参加できて、日本が参加できないわけはありません。
12月9日、この問題を衆議院本会議の代表質問で取り上げた日本共産党の志位和夫委員長に対する岸田首相の答弁はこういうものでした。
「同条約には核兵器国は1カ国も参加していない。核兵器国を関与させるよう努力しなければならない」と表明したものの、それに続けて「そのためにも、唯一の同盟国・米国との信頼関係構築に努めるべきだ」というものでした。
これでは、「核保有国と非保有国との橋渡し」役どころか、どこまでも米国に従う、すなわち、米国が反対するかぎり、日本も反対していく、という答弁なのです。
このような首相に締約国会議へのオブザーバー参加をうながし、国民が願う核兵器廃絶に向けて日本が一歩でも進んでいくためにも、意見書を国にあげていくことが大切ではないでしょうか。
12月10日、モンゴルが核兵器禁止条約の57番目の締約国となりました。東北アジアから初の締約国となったのです。日本もこれに続いてほしいと思います。
議員の皆様におかれましては、是非賛同していただきますようお願いして、賛成討論の結びといたします。