日本共産党横須賀市議団

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議会での発言
2023年3月31日

3月定例議会に提出された請願に対する賛成討論(2023 3 24)全文

2023 3 24 賛成討論

3月定例議会最終日の本会議において、日本共産党を代表して、大村洋子議員が行いました。

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日本共産党の大村洋子です。本定例議会における4つの請願についてすべて賛成の立場で意見を述べます。

まず、第1号田浦小学校の存続についてです。

現在、横須賀市教育環境整備計画の実施にあたり、横須賀市立小中学校適正配置審議会や小中学校教育環境整備検討協議会が開催され、保護者、地域住民、有識者により議論が行われています。対象の地域において、このような議論が行われているということの周知が行き渡っていたでしょうか。そして、知っていたとしてもどこへ意見を言えばよいのかその術は保障されているのでしょうか。今回の請願者のように自分達の声が届いていないと不安を感じた未就学児の保護者がいらっしゃったのも事実です。請願者は自分達の声を聞いてほしい、田浦小学校を無くさないでほしいと切実な訴えをされました。請願の中では、谷戸地域の過疎化に寄り添い、「誰も一人にさせないまち」を掲げる上地市長への期待が寄せられていました。田浦小学校はアーティスト村を活用した授業を行ったり、地域内の子ども園や学童保育との連携により、障害を持つ方への温かい眼差しを育む場ともなっているといいます。子育てしやすいまちという評判で、学区外から田浦小学校に通う児童もいて、市内外から田浦に移住する方もいるとのことです。インクルーシブ教育が他地域より進んでいるということだと思います。田浦の町は住民から愛され、市長の方針である、「地域で支え合う福祉のまち」を実践しているということができます。このようなまちづくりの中心ともいえる田浦小学校が廃止の検討に挙がることに、私たちも疑問を持たざるをえません。

請願者は田浦小と長浦小が統合された場合、長いトンネルを登下校する危険性にも触れていました。児童の減少、校舎の老朽化を大きな理由にして統廃合を議論しているようですが、登下校時の危険性は絶対に回避しなければならない課題と考えます。

田浦トンネル画像 (3)

(長浦小までの3つのトンネルのうちのひとつを視察する井坂なおし議員)

また、田浦小学校の創立は1874年明治7年で149年の歴史があり、関東大震災や戦争を市民と共にくぐり抜けてきました。戦前、戦中、戦後を通じて「基地のまち」横須賀を象徴する地域ということもできるでしょう。ですから、学校の統廃合についてはとりわけ地域づくりを支えてこられているご高齢の方々、そして、現在児童生徒を通わせている保護者等若い世代の方々のご意見、お気持ちを丁寧に伺っていくことが大切だと考えます。従って、私たちは統廃合ありきで進めるべきではないとの立場から請願第1号田浦小学校の存続を望まれている請願に賛成をいたします。

次に請願第3号みんなの家 7施設に対する利用者の要望に応じたきめの細かい個別的対応についてです。

12月定例議会の一般質問でも触れましたように、青少年の家が「みんなの家」と呼称されるようになった経緯やこの施設の利用者とはどのような方々なのかという現状をよくよく考えた場合、私たちは市と利用者の間の認識に乖離があると感じています。この認識の乖離を認め、打開策を真剣に考え実践するという立場に立たなければ、地域住民との間にいつまでも軋轢は残ったままだと思います。

全世代型の施設であるみんなの家が廃止された際に、どのような機能移転が可能なのか、代替施設があるのかないのか、代替施設は今までと同じように使い勝手の良いものとなるのか、料金は発生するのか、この答えが現時点で用意されていない、用意されていないので、説明会で質問されても答えられない、答えを聞くことが出来なければ利用者は不安になる、この悪循環に陥っているのが現状です。従って、今回のような「利用者の要望に応じたきめの細かい個別的対応」を利用者が望むのは至極当然のことと思います。将来世代にツケを回さがないと言いながら、現世代には泣いてもらうというのはスジ違いというものです。

私たちはクロスセクターベネフットを提唱していますが、卓球、絵手紙、体操で心身ともにリフレッシュしコミュニケーションの場となっている「みんなの家」は長期的に俯瞰すれば、健康寿命の延伸に寄与するものとして、本来もっと充実させることが必要だと考えます。「産学官連携によるヘルスケアデータの連結・分析システムの構築と活用」が始まっていくと思いますが、年配者、高齢者のみなさんはとうの昔から、みんなの家を利用して日常的に健康維持・増進に励んでこられました。これがそのまま介護予防活動ともなっています。施設が老朽化しているからと言って、一路整理縮小という発想はあまりに短絡的です。このように地域のみんなの家が統廃合されていけば巡り巡って地域住民の活動拠点の縮小、コミュニケーションの希薄化、健康寿命延伸との逆行が露呈されていくと思われます。市は今回の請願はそのことへの警鐘乱打であることを真摯に受け止めるべきです。以上の点から請願第3号みんなの家の7施設に対する利用者の要望に応じたきめの細かい個別対応について賛成いたします。

 次に請願第2号横須賀石炭火力発電所の稼働中止および再生可能エネルギー100%都市を目指す決議についてです。

 本市は2021年1月29日「ゼロカーボンシティ宣言」をし、同年10月1日より「地球を守れ ゼロカーボンシティ推進条例」を施行し2022年3月に「ゼロカーボンシティよこすか2050アクションプラン」を策定しました。地球規模で起こっている気候危機への対応は早急に手を打たなければならないところに来ています。前述した本市の施策展開はこのような状況の中で国のエネルギー基本計画に則り対応していこうというものだと思います。他方、市域の中にある石炭火力発電所が稼働目前の今、そのことについて市議会はどのような態度をとるのか、今回の請願は問うています。

私たちはいくら国の示すエネルギー基本計画に則り市の施策を作成し脱石炭を推進する、議会も一緒になって取り組む、この姿勢を示したとしても、それはそれで大切なことだとは思いますが、年間726万トンものCO2を排出する石炭火力発電所が市域にあるということに対して、見て見ぬふりはできないと考えます。審議会を経て、エネルギー転換部門のCO2排出は算入しない、その他のCO2のみを考慮してCO2削減の推移を確認し目標値へとアプローチすることとなったのは存じています。しかし、本当にこんなやり方でよいのでしょうか。実態としてCO2を排出する石炭火力発電所を集計上なきものにしすることはその大気を実際に吸って生きている市民を欺くことになるのではないでしょうか。横須賀市も議会も石炭火力発電所の稼働をストップすることはできないとしても、稼働に対して、意見を表明することは十分可能です。

本市はゼロカーボンシティ宣言の前提条件の一つにJERAの2020年10月に示した2050年における二酸化炭素実質ゼロに向けたロードマップをあげていました。しかし、このまま2050年まで石炭火力発電所が稼働すれば、27年間のCO2の総排出量は1億9602万トンにもなり企業としていくら美しいロードマップを示しても実態がこれでは絵に描いた餅ではないでしょうか。請願には4,916筆の署名も付けられていました。これだけの方々が議会に対して、今のままではいけない、ゼロカーボンシティ宣言を支持した議会に対して、石炭火力発電所稼働に物申すべきではないかとお考えであるということです。今一度この請願の趣旨をご理解いただいて、議場のみなさまには賛成していただきたくお願い申し上げます。

最後に請願4号 国の温暖化対策の見直しを求める意見書の提出についてです。

この請願が総務常任委員会に出され、陳述人が陳述された後に、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、産業革命前から今世紀末の気温上昇幅が1.5度を超える恐れが強まっておりこの水準に抑えるには2030年に世界の二酸化炭素CO2排出を現状から半減させる必要があるとの報告を公表しました。報告書では既に1.1度上昇しており対策を強化しなければ今世紀末には最大で3.4度の上昇になると予測しています。グテーレス国連事務総長は先進国の指導者は温室効果ガスの排出実質ゼロを2040年にできるだけ近い時期に達成すると約束すべきだと言っています。今年のG7の議長国は日本であり日本が対策を加速させられるかどうか世界が注目しています。しかし残念ながら変革に遅れが目立ち、石炭火力発電所廃止の道筋を示すことができていません。燃やす段階でCO2を排出しない水素やアンモニアを使った排出ゼロの火力発電の開発に力を注ぐとしていますが、これは、委員会でも質疑しましたが、水素やアンモニアは製造段階でCO2を排出するなど削減効果が小さく実用性が疑問視されています。政府は化石燃料の輸入事業者から賦課金を徴収する制度も導入するとしていますが、時期は28年度以降とスピード感に乏しく欧州などで実施中の排出量取引も日本の本格導入は26年度以降で温暖化の抑制に必須とされる20年代の大幅な排出削減にはほとんど貢献できないとみられています。このような世界の流れから著しく遅れた日本の対応は早急に改められなければなりません。出来るか、出来ないかではなくやらなければ、地球の未来がないということを肝に銘じなければなりません。その危機感を共有しなければなりません。したがって、私たちは請願第4号 国の温暖化対策の見直しを求める意見書の提出について賛成を表明いたします。

以上で4つの請願に対する日本共産党市議団の賛成討論といたします。


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