日本共産党横須賀市議団

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よこすかから平和を発信 原子力空母NO!
議会での発言
2011年11月29日

2011年第4回定例会・大村洋子議員の一般質問

日本共産党の大村洋子です。私はお時間をいただきまして、吉田雄人市長の政治姿勢についてお尋ねいたします。

市長選挙が行われ吉田市長が第35代横須賀市長に就任され、早2年半余が経ちました。この間、市長は所信表明と2回の施政方針を出されております。私たちはこれら節目の方針を、市長のお考えのエッセンスとして注意深く検討してまいりましたし、時々の一般質問においても、市長のお考えを質してまいりました。質してまいりましたが、正直市長のお考えがよくつかめません。市会議員時代におっしゃっていた発言と、市長になってからの発言の違い、また違っているということもはっきりお認めにならないし、したがって説明責任もはたされない。なにやらいつも煙にまかれたような思いをもっているのです。市民のみなさんから見ても「チェンジ」を掲げて市長になったが、いったい「チェンジ」とはなんだったのか?そんな思いをお持ちの方も多いのではないかと察します。

本日の私の一般質問の趣旨は今までの質疑の内容を振り返りかえりながら、改めて吉田雄人市長の政治姿勢について考えてみたいというものです。市長に就任されたばかりの頃と今では政治姿勢に変化はあるのか、あるいはないのか質疑を通して整理してまいりましょう。

まず、単刀直入に伺いますが、市長の「チェンジ」のスローガンは何をどうチェンジするという意味だったのでしょうか。これだけは変えたいと強く感じておられた内容は何だったのでしょうか。お聞かせください。そして、2年半が経つ今、そのチェンジ具合はいかがあいなりましたでしょうか。最近はとんとお使いにならなくなったところをみると、市政を実際にあずかるようになって「チェンジ」という言葉や概念が現実とそぐわないと思うようになられたのでしょぅか。合わせてお答えください。

次に財政難の中、どう優先施策を決定していくのか、また財源確保のための土地の売却についての市長のお考えをお尋ねいたします。大津行政センターの新築移転問題を具体例にして伺います。

市長は大津行政センターの新築移転を決断されました。大津行政センターはコミニュティセンターが狭く使い勝手がわるいことや駐車場も臨時スペースを含め14台しか駐車できないなど、利用者から建て替えの強い要望が出ていました。私たちもこの決断におおむね賛成です。賛成ですが、この決断については少し違和感を持つのも事実です。

先日行われた建設事業説明会に私も参加し、地域の方々から出されたたくさんの要望に耳を傾ける機会を得ました。大津行政センターの新築移転の建設の総額はざっくりと12億から13億円ということですが、市はその財源を市の持っている3か所の土地を売却して充てるという方針です。財政状況が厳しいとおっしゃってきた市長が新築移転を決断された決定打はなんだったのでしょか。。財政難の中優先施策と位置付けたその根拠をお示しください。また、大津行政センター新築移転が実現できるとふんだ根拠や決断に至るプロセスを合わせてお聞かせください。

財源確保の手法である土地売却についてお尋ねします。建設事業説明会では新たな移転先とつながっている部分の土地を売却して財源としてゆきたいとする市の説明に、周辺にお住いの複数の方々から「大津には公園や広場がない。防災拠点としても利用できるスペースとして、ぜひこの土地は売却しないで、市民のため有効活用してもらいたい。」というご意見がでました。小学生のこどもさんをもつお母さんからも「子どもがのびのび遊べるスペースを作ってほしい。」と切実な思いが語られました。ここでは大津行政センターの件を具体例としてあげましたが、私たちは今までも馬堀の民生寮跡地はみどりとして残すべきであるとか、市の持っている土地を福祉施設の土地として活用すべきなどと提案してまいりました。確かに財源確保のため土地を売却するということも大切な手法と思いますが、はじめに売却ありきでは本末転倒だと思われます。せっかく市が土地を持っているわけですから、まずは有効活用の視点に軸足を置くべきと思いますがいかがお考えでしょうかお聞かせください。

次の視点は福祉についてです。この間私は障害者の就労継続支援の問題、ひとり親家庭の水道料金減免を引き続き行ってほしいという点、また、生活保護受給世帯への冷房費の収入認定除外をめぐる問題など福祉に関して取り上げ、市長と質疑を交わしてまいりました。生活困窮やハンデイキャップのためどうしても公が支えることが必要な人々へぜひ予算計上してほしい、引き続きバックアップしてほしいと提案しましたが、残念ながら明確な良い返事をいただけませんでした。市長は2年半前の選挙の際、「いのちを大切にする横須賀へ」と題した新聞折り込みされた選挙公報、これは「私は4歳のときに祖父を亡くし、幼いころからずっと「おばあちゃんこ」でしたで始まる中身ですが、この中で医療や福祉をしっかり行っていくという決意を述べられています。しかし、実際は2定、3定での答弁にあるように財源問題を前面にだされ厳しいお返事でした。もちろん財源が無尽蔵にあるわけではなくいわゆる「選択と集中」によって施策検討されていくことは、私も承知しているところです。しかし、市長は公約の中で医療や福祉をしっかり行っていくと明言されたわけですし、地方自治法の第1条の二には「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」とありますように、福祉施策が自治体における主要な役割であることはまちがいないと言えます。もとより、市政は市民生活のすべてを担う場ですので、福祉施策だけに重きをおいて行うべきというつもりはありませんが、やはりここは市長のお考えを改めて伺いたいところです。「いのちを大切にする横須賀へ」と題し自ら「おばあちゃんこ」だったとおっしゃって、医療や福祉への決意を語られていたあの思いは今でも根付いておられることと思いますが、どうも発言されたことと行いに乖離が生じているように思えてなりません。このままでは市長の思いが市民に伝わらないのではないかと思われますが、改めて福祉施策への市長のお考えをお示しください。

また、3定で質疑を交わしましたひとり親家庭への水道料金減免施策を仕分けに入れた点についてさらに伺いたいと思います。3定での質疑では、「恣意的にこの施策を仕分けの対象にしたのではない」とのお答えでした。私はむしろ恣意的に除外すべきだったと思います。なぜならば、生活困窮のために公が支えなければならない対象だからです。市長は水道料金減免の対象となっている世帯、広く言えば障害者のいる世帯も入りますが、こういった世帯に対して公が支えなければならない世帯だとの認識はお持ちでしょうか。お答えください。ここでも選挙広報に漂っていたあたたかみが感じられません。矛盾しているように感じられます。市民に分かり易いご説明をお願いいたします。市長のお考えをお聞かせください。

次に国民健康保険の資格証発行についてお尋ねします。この件については2010年の代表質問で質疑を交わしまして、私が資格証と憲法25条生存権の問題を関連させ質問したところ、市長から12条を引いて答弁をいただいた経緯があります。市長は資格証の発行目的について「長期間滞納されている方との納付相談の機会を持つことや、生活などでお困りの点があれば適切な助言を行うなど、問題を一緒に考えることにあります。」と答弁されています。もっともらしい答弁ですが、これは説得力をもちません。本市の約3倍の人口であるさいたま市は資格証の発行はゼロですし、「資格証を発行しても収納の向上につながらない」とはっきり言っています。厚生労働省の資料によれば、年々資格証の発行は増えているのに、収納率は逆に下がっています。このことからもはっきりと資格証の発行が滞納対策にはつながらないということがわかります。私は資格証の発行は医療の受診抑制につながり、市民のいのちや健康を軽んずる結果になり重大な憲法違反だと思います。42万横須賀市民のいのちと健康を何よりも最優先させなければならない市長としては直ちに資格証の発行はやめるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。お聞かせください。

国民健康保険は「誰でも」「どこでも」「いつでも」保健医療が受けられる国民皆保険制度として1961年にスタートしました。国保法の第1条目的の中には「社会保障及び国民保健の向上に寄与すること」とあります。社会保障とは憲法25条に根拠をおき病気、老齢、失業などに対して保険的方法や公の負担において最低限度の生活を保障し国民が文化的社会の成員として生活を営むことができるようにすることだと思います。ですから、私は国保において医療を受ける権利は保険料の支払いを前提にしているわけでない、国民に社会保障として当然の権利があると思います。市長は国民健康保険制度は社会保障制度だとのご認識はありますでしょうか。お聞かせください。

次に基地の問題をめぐってお尋ねします。

2010年度の施政方針には基地のことが全く触れられていませんでしたが、基地問題に関して毎年施政方針に入れるべきと指摘させていただいた通り、2011年の施政方針では大変饒舌で民主党の防衛大綱をほとんど丸写しにしたとも言うべき安保問題に対しての内容となっていました。

所信表明では「米軍基地が日本に存在しているという現実を現実のものとして受け止めなければならない。」というこの間もやりとりしてきた文言が登場しています。「現実のものとして受け止める」とはわかったようなわからないようなあいまい不可思議な表現です。「米軍基地が横須賀にはあるね。そうだよ、あるよ。」小学生の会話で事足りるような内容です。基地が存在していることへの市長ご自身の見解がまるで明らかにされていません。このように基地問題、安保問題、原子力空母の問題についての一連のやりとりの中からは、正面からしっかりと受け止める姿勢の希薄さが感じとれてしまいます。結論は結論としてもその結論にいたるまでのプロセスを市民に明らかにすることが市長の説明責任ではないでしょうか。「基地を現実のものとして受け止める」という発言についてわかりやすくご説明をお願いします。

国にモノを言うスタンスとして、ぜひ市長ご自身に伺ってみたいと思ったことに米軍の「トモダチ作戦」で出された放射性廃棄物の外務省の各自治体への周知がなかった問題があります。この「トモダチ作戦」で出された放射性廃棄物が置かれている自治体は米軍基地内では横須賀だけではなく、厚木、佐世保などもあり自衛隊の施設では、岩国、郡山、百里など点在しています。そもそも原発事故に始まったこのような事態に憤りを禁じませんが、外務省が各自治体に通知すらしていなかったということには、さらに驚き地方自治体を軽んずるやりかたに強い憤りを感じます。市長は外務省が事前に自治体に情報を伝えなかったことに対してどのような見解をお持ちでしょうか。お聞かせください。また市長は外務省に対してその後どのような行動をとられたのでしょうか。お聞かせください。同じように放射性廃棄物保管について事前に情報を受けなかったといって佐世保市長は外務省へ行き抗議をしています。この佐世保市長の行動についてはどうお感じになりますか。お聞かせください。

第1定例会代表質問の我が党の井坂しんや議員との質疑の中で、市長は防衛問題について「この防衛大綱というのは、基本的には政府の決定ですから、私自身国民の代表である国会の場で議論して、内閣によって閣議決定されたものですから、日本の防衛の認識として正しいものであると考えています。」とおっしゃっています。この答弁から私は「政府の決定=正しい」と結論だけを言い、なぜ正しいと考えたのか、思考のプロセス、理由の説明が伺えないことが腑に落ちません。間に自分の思考を入れずに短絡的に受け取ってしまう危うさを感じます。私は地方自治の団体自治の観点から言えば、「政府の決定=正しい」からスタートすることは、本来的ではないと思います。むしろ、地方自治体の首長は住民と中央政府の間に入って住民の立場にしっかり立ち、情報公開を求めたり、要請をし常に厳しい目でチェエックし時には中央政府に異を唱えることも必要だと思います。防衛問題においてなぜ政府の決定は正しいと思われたのでしょうか。市長の解釈をお聞かせください。

次に米兵犯罪に関することをお尋ねします。第2回定例会のねぎしかずこ議員との質疑の中で、米軍の無期限の飲酒についての認識が変わったことを改めて表明されました。殺人事件を犯した米兵に対して市長は議員時代は無期限で米兵は禁酒にするべきとおっしゃっていましたが、市長になられてからは犯罪をなくすよう努力する立場なので、無期限禁酒は求めないとのお答えでした。このお答えは矛盾しているように感じられます。犯罪をなくすよう努力する立場ならなおさら、無期限禁酒を米軍に求めるほうがスジだと私には感じられますが、いかがでしょうか市長のお考えをお聞かせください。

これで、私の1問目を終わりにいたしますが、市長にはぜひわかりやすく具体的にお答えをいただきたいと思います。ありがとうございました。


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