日本共産党横須賀市議団

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よこすかから平和を発信 原子力空母NO!
議会での発言
2011年11月29日

2011年第4回定例会・井坂新哉議員の一般質問

私はお時間をいただきまして、1つに原子力空母の安全性について、2つに原子力防災訓練について、3つに自治基本条例に対する市長の基本的なお考えについてお伺いいたします。

まず原子力空母の安全性についてですが、私は第2回定例会で米軍基地にある発電施設や純水プラントの津波対策について伺いました。市は国に問い合わせたところ、9月16日に電話での口頭連絡があったとのことでした。その回答の内容は「今般の震災に伴う津波により、日本国に甚大な被害が発生したことは米軍としても十分に認識しており、引き続き、神奈川県が作成されるハザードマップ等に注意を払い、今回の震災に伴う改正がなされる場合には、米軍としても適切に対応していく考えである。」とのことでした。つまり、現在は津波対策はとっておらず、今後の防災計画などの改正を待ってから対応するというものです。

市長はこの回答を聞き、それでよいとするのでしょうかお聞かせください。また、この回答を聞き、国や米軍に対して何らかのアクションを起こしたのでしょうか、お聞かせください。

さらに、11月23日には原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀港に入港しましたが、入港に際し、市長として米軍に申し入れなどを行わなかったのでしょうか、お聞かせください。

さて、第2回定例会で私は、原子力空母に備わっている全電源喪失時に機能するとされている崩壊熱除去システムについてどのくらいの時間持つのか確認するべきだと質問したのに対し、市長は政府がその安全性を担保しているから説明を求めないと答弁されました。緊急時に電源に頼らない冷却システムというのは、福島第1原発の1号炉にも備わっておりましたが、そのシステムが事故発生時に機能しなかったことが現在問題になっていると思います。

原子力空母に備わっているこの崩壊熱除去システムというのは、この福島第1原発の1号炉に備わっていたものと同じではないかと思いますが、政府に確認する必要があるのではないでしょうか。市長はいかがお考えか、お聞かせください。

次に、原子力防災訓練についてお伺いいたします。本市では、毎年地域防災計画に基づいた訓練と米軍と共同で行う訓練の2種類の原子力防災訓練を行っており、今年の10月26日には地域防災計画に基づく原子力防災訓練が行われました。また12月には米軍との訓練が行われます。

私は、これまでも原子力防災訓練の問題を取り上げ、特に第2回定例会では、福島第1原子力発電所の事故を踏まえた対応と訓練が必要だと質問をしました。

10月に行われた屋内退避訓練は、福島第1原子力発電所の事故が起きる前の訓練とほとんど変わらない内容だったと思いますが、福島第1原子力発電所の事故の教訓を生かした内容はあったのでしょうか、お聞かせください。また、今度の訓練で今まででは得られなかったような成果があったのでしょうか、お聞かせください。

さて、先の定例会の私の質問で、市長は避難マニュアルの作成について作成は必要ないとしながらも、訓練を続けていけばマニュアルに相当すると述べておられました。今回の訓練の参加者を見ますと全体で約800名。その内、田戸小学校の生徒や職員が730名。町内会などの参加者が30名。その他40名となっています。原子力災害を最小限にするためには、行政による市民への情報提供が重要であり、その情報に基づく市民の行動も大切になってきます。

今回の訓練の参加者だけ見ても対象地域のごくわずかな方しか参加しておらず、これでは情報提供の不足といっても過言ではないと思います。

そこで、お聞きしたいのは、まず今回の訓練によって市民の避難・屋内退避についてあらかじめ決めておかなければならない事項にはどのようなものがあると認識されたのでしょうか、お聞かせください。

それをまとめ、形にすることがマニュアル作りになると思われますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。そして、情報提供ということを考えれば、このマニュアルを対象地域の住民に配布することが情報提供になると思われますがいかがお考えでしょうか、お聞かせください。

さて、今回の訓練は、いまだに国から原子力防災計画についての見直しが示されず、福島の事故前に作られた地域防災計画に基づいて行われました。とはいえ、あまりにも工夫がなく前例にとらわれた訓練だったと言わざるを得ません。

今の地域防災計画であっても、福島第1原子力発電所の事故をしっかりと受けた対応をすれば、もっと違う訓練になっていたはずです。

例えば、ある一地域だけに限定するのではなく、屋内退避が必要な地域すべてを対象に行うことも考えられたでしょう。また、屋内退避が長時間にわたるときなどを想定しての訓練をすることも考えられたのではないでしょうか。このようにもっと福島の事故を念頭に置いた訓練をすることで得られることはとても多かったと思います。

例えば、計画では、モニタリングポストで5マイクロシーベルトの値を感知した場合に国に通報することになっていますが、この段階での市民への周知と広報をどうするのか、屋内退避が必要になった時の通行人の避難誘導にはどれだけの職員が必要になるのか、交通渋滞などを想定しなくていいのかなど、いろいろなことが対応できたと思います。なぜ、そのようなことを考えなかったのか、お聞かせください。

さらに、私は地域防災計画の改定をもっと早くするように国に求める必要があると思いますし、通報基準や屋内退避基準などの見直しも求める必要があると思います。例えば、屋内退避基準などは、モニタリングポストで100マイクロシーベルトの値を感知した場合となっております。本当にこれでいいのかと感じていますが、市長はモニタリングポストで100マイクロシーベルトの値が出たとなったら、市民はどのような状況になると想定されているのでしょうか、お聞かせください。また、モニタリングポストで100マイクロシーベルトの値を感知するような状況というのは、これまで日本を含め世界の事故で何回あり、それはどのような事故であったのでしょうか、その状況をお聞かせください。

この横須賀は原子炉から3㎞の範囲に約7万5000人もの人が住んでおりますが、原子炉からこんなに近くに多くの人が住んでいる原発の所在地は、全国でも横須賀だけです。まさに特殊な条件のもとにいるといっても過言ではないのです。だからこそ市長の対応が重要だと考えています。この基準の見直しを国に求めることについて、どうお考えでしょうかお聞かせください。また、原子力軍艦を原子力災害特別措置法の適用とするよう国に求めるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

原子力防災訓練の質問の最後に、現在の地域防災計画では、地震や津波などの自然災害と原子力災害が同時に起こった場合の想定がありません。まさに今度の大震災で経験したことですが、このような複合災害についてはどのような対応をお考えでしょうか、お聞かせください。

次に、自治基本条例についてお伺いいたします。

来年、4月からの施行に向けてこれまで自治基本条例検討委員会で精力的に検討が進められ、7月29日に検討結果報告書が市長に提出されました。それを受け、9月には政策推進部が(仮称)横須賀市自治基本条例骨子素案を発表し、12月からパブリックコメントを実施しようとしています。

私たち日本共産党市議団としても自治基本条例の制定は、これからの地方分権の時代にとって重要なものと位置づけており、これまで精力的に検討され、報告書をまとめられた検討委員のみなさまに敬意を表するものです。

今後パブリックコメントの中で、市民から意見が寄せられ、第1回定例会には議案となって出てくるものと思いますが、報告書と条例骨子素案を見た中で、何点かについて市長の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。

最初に報告書などにも触れられていない課題として取り上げたいのが、国との関係についてです。

地方自治体は地方自治法に基づいて運営が行われるため、あえて国との関係を規定する必要はないとのご意見もあるとは思います。

しかし、国が定めるさまざまな福祉制度や税制などは市民生活に密接に関連しておりますし、国と地方が対等の関係になったといっても、財源移譲の問題を含め、自治を進める上で国との関係について基本的にどのように対応するかも重要な課題ではないかと考えるものです。

私は、国に反抗すべきだなどというつもりはなく、国と連携して取り組む必要もあると思いますし、一方市民生活に影響する問題については市として国に対等な立場で意見を述べることも住民自治を進める上では重要な要素だと考えています。

このような立場から、国との関係について、市としてどのようにかかわっていくかについて自治基本条例に規定することも検討する必要があったのではないかと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

次に地域自治組織についてお伺いいたします。

私は、住民自治を進めるために市が積極的な役割を果たす必要があるという点で市長と同じ立場であると思います。自らの町の課題を自ら解決していくためにいろいろな取り組みを広げることは重要なことです。

今回出された自治基本条例骨子素案では、住民自治の具現化として地域自治組織をつくることができるとしています。この組織は、公的な機関ではなく、あくまで任意の組織であるとのことですが、この組織を自治基本条例で規定しなければならない理由が希薄なように私は受け止めています。

そこでお伺いしたいのは、この地域自治組織は自治基本条例に規定しなければ、つくることができないものなのでしょうか、お聞かせください。いろいろな団体、例えば町内会や自治会などへの補助は現在行われており、交付金的な要素もある運営補助金も現在出しているわけですから、別に自治基本条例に規定しなければ、支援ができないというものでもないですし、組織をつくることができないわけではないと思いますのでお聞かせください。

また、あくまでも任意の組織ですのでその組織を作らないと住民が決めた場合はつくらないことになると思われますが、それでよいということでしょうか、お聞かせください。また、その組織を作らないと決めたことによってその地域に不利益が生じてはいけないと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

さて、本市はこれまでも、地域のまちづくりに関して、地域のまちづくり協議会などに補助金を出し取り組みを支援してきました。新たに作ろうとしている組織はそれらと類似した点も多いと思いますので既存のまちづくり協議会などとの関係性を整理し、補助金支出についても検討することになると思われますが、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、4月施行を考えておられるということですので、来年度予算編成ではどうしようとお考えなのでしょうか、お聞かせください。

地域自治組織については、本当にいいものになるのかどうか、また、住民自治が組織を作ったことで進むのかどうか、判断しかねているというのが私の率直なところです。どうしても自治基本条例に規定しなければならないという市長の思いがよくわかりませんので、抽象的な表現ではなく、具体的に今までよりもどのように良くなるかをお聞かせください。

この組織については手探り状態なところもあり、細かい点ではお聞きしたいところはいくつかありますが、それらの点については、特別委員会も設置されておりますので、それらの中で論議を深めたいと思います。

次に、住民投票制度についてお伺いいたします。

私たちはこれまでも常設型の住民投票制度が必要との立場から論議を交わしてきたところです。

住民投票制度について私たちは、報告書に記載されているのと同様に、むやみに行うべきものとは考えておらず、自治は代議制を中心として進められるべきと考えています。しかし、例えば、市長と議会が対立し機能しなくなったときとか、市民の大多数の意見と市議会や市長の間で意見が大きくかけ離れた場合、または、市議選や市長選挙の際には争点になっていなかった案件が突如として発生し、最終判断をする上で住民の意思を確認する必要がある場合などには、住民意思を示す最終手段として常設型の住民投票制度を設けておくことが重要だと考えるからです。

しかし、むやみにやらない方がよいというのは、デメリットとしてよく言われていることですが、住民投票の影響として市民の意見を2分することになり、市民の間に対立を引き起こすのではないかなどの意見があることも受け止めております。

このように住民投票を巡る議論はこれまでも多種多様に行われてきましたが、私は市民が政治に積極的に参加し、自らの意思を積極的に示したいという行動を重く受け止める必要があると思いますし、そのような市民が増えることが住民自治を広げるためにも大切だと考えています。

私はそのような私自身の思いとともにこれまで議論されてきた内容を踏まえた上で、今後の住民投票制度について市長のお考えをお伺いいたします。

検討委員会の報告書では、住民投票制度について常設型の住民投票制度を規定することを求めていますが、具体的な内容については意見がまとまらなかったため今後慎重に論議をしてほしいとの内容でした。このような状況で大切なのは、市長がどのような住民投票制度を考えてマニュフェストに入れたかということです。

自治基本条例の検討は澤田市長時代に研究がはじまり、条例制定には至りませんでした。市長もこの研究会の論議状況はよくご存じのことと思います。

また、2度の原子力空母の是非を問う住民投票について、直接請求があり、多くの論議がされてきたこともご存じだと思います。これらの経緯から住民投票制度の課題については市長も十分ご承知のことと思います。そして、これまで他の議員から、住民投票制度について質問がされた時、その都度市長は、検討委員会の状況を見て判断すると述べてこられました。検討結果報告書では、結局のところ意見が割れてまとまらなかったということを考えれば、これらの課題を解決するには市長の考えをはっきりと示さなければ、いろいろな意見がまとまらないという状況なのではないでしょうか。今の状況に対する基本的なお考えをお聞かせください。

また、この報告書を受けてから、すでに4か月が経とうとしていますが、市長はいつ頃までに住民投票の共通事項に関する条例制定をしようとお考えなのでしょうか、お聞かせください。

私は、ある程度住民投票制度については論議が進んでおり、問題点の抽出等はほぼされているのではないかと考えています。そうするといくつかの課題については、市長自らの方向性が示されなければ、まとまった意見にはならないと考えています。また、それとは別に議会は議会で論議をし、どう考えるか、それぞれの考えを出していくことも必要だと思います。住民投票制度の論議はすでにそのような状況になっているのではないかと私は思っています。

そこで、住民投票の課題に対する市長ご自身のお考えについて具体的な内容もお聞かせください。まず、住民投票の対象事項についてですが、ネガティブリスト、ポジティブリストなどが一般的に論議されているようですが、市長は住民投票の対象事項についてどう規定することが望ましいとお考えでしょうか、お答えください。

さらに、投票資格者についても、年齢、国籍などでいろいろな意見がありますが、市長はどのようにするのが適当とお考えか、お聞かせください。

また、住民投票の請求者は、市長発議、議会発議、市民発議などが見受けられますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

さらに、いろいろな自治体でつくられている住民投票制度を見ますと成立要件についてもばらつきがありますが、市長は成立要件についてはどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

そして、住民投票制度を行うにあたり、市長や議会がどのような役割を果たすかも大切なところだと思います。

そこで、お聞きしたいのは、住民投票制度を考える上で、市長、議会が果たすべき役割は何かについて市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

住民投票制度については、市民の間でも議会でも論議され、注目されている点だと思います。これまで1年半をかけて論議されてきたことを議会としても議決するには、市長のお考えをうかがう必要があると考えていますので市長のご見解を示していただき、2問目以降を行いたいと思います。

以上で私の1問目といたします。


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